» 中期経営計画~企業は環境適応業でなければならない~

2017年2月24日

連載コラム「中期経営計画の作り方 ~会社を成長させられる経営計画とは~」、今回のコラムは、「中期経営計画を策定する上で認識しなければならないこと」について説明させていただきます。それは「企業は環境適応業でなければならない」ということです。

 

 

 

~環境適応とは~

環境適応とは、1800年代に「種の起源」で進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンの言葉です。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。」という言葉は何処かで聞いたことがあるのではないでしょうか。ダーウィンの進化論や、解釈には諸説あるようですが、「時代は必ず変化する、生き残るのは時代環境に適応できたものだけである」というのが、今回のテーマの環境適応の意味する所です。

事例をあげて説明させていただきます。馴染みのある飲食業界を例にあげたいと思います。飲食業界はここ十数年で大きく時代が変化しました。大まかに言えば「チェーンの時代」から「個店の時代」に変化しました。十数年前を思い起こしてほしいのですが、飲み会と言えば赤い看板のチェーン店に行くことが多かったのではないでしょうか。何を隠そう私もです。当時はスマホがない、インターネットも今程気軽ではない時代でした。そのため、飲み屋に行こうと思っても情報がなく、チェーンに行けば大きなハズレはないだろうという安心感でチェーン店を選んでいました。しかし、スマホの普及、食べログやフェイスブックなどの充実で時代は変わりました。入ったことのない個店でも情報が得られる時代になりました。すると、個店に入る不安がなくなり、むしろ知る人ぞ知る名店に行きたい、良い店に行ったら口コミで友達に伝えたい、と消費者の行動が変わりました。

このように、時代は嫌が応でも変わります。経営者が会社を存続させたいなら、必ず環境変化に適応しなければいけません。その意味で「企業は環境適応業でなければならない」のです。

 

~時代時代によって成功要因が違う~

環境適応と合わせて理解しておかなければいけないことがあります。それは「成功要因の獲得」です。前段落でお伝えしたように時代は必ず変化します。時代が変われば企業が成功するための要素、つまり成功要因も変わります。

先に例にあげた飲食業で引き続き解説いたします。過去はチェーンの時代でした。その時代の成功要因と言えば「大手チェーンのフランチャイズに加盟して看板を得ること」があったでしょう。しかし現在は環境が変わりました。今は顧客の反応がダイレクトに発信される時代です。ここでの成功要因は「顧客満足度の高い店作り」「SNSで発信したくなるようなサプライズのある店作り」などがあげられるでしょう。

このように時代時代によって成功要因は変わります。中期経営計画では、この成功要因を如何にして獲得するかを検討します。ここが一般的な利益計画と最も異なる所です。

では、具体的に成功要因の探索はどのようなステップで行うのでしょうか。これは考え方の手順が定まっています。以下に紹介しますので是非自社でもご検討いただけますと幸いです。

 

【成功要因探索のステップ】

1.過去の成功、失敗要因について考える

2.1の要因は何故成功、失敗要因たりえたのか考える(その当時の世の中、企業環境の分析)

3.将来における企業環境はどのようなものになるのかについて考える

4.そのような企業環境が来るのであれば、そこから考えられる成功要因を考える

 

~まとめ~

これまでお話させていただきました通り、中期経営計画においては「企業は環境適応でなければならない」、「時代に合わせた成功要因の獲得」というのが非常に重要なポイントになります。是非紹介させていただいた手順に従って、自社を取り巻く今後の経営環境はどうなるのか、経営環境の変化を踏まえた自社の獲得しなければならない成功要因は何か、について考察いただけましたらと思います。

 

これまでのビジライフでは、中期経営計画策定の前提となる考え方をお伝えさせていただきました。一般的な数値計画と中期経営計画の違いについて少しでも参考になる部分がございましたら幸いです。

中期経営計画に関するビジライフは、一旦今回の号で終了とさせていただきます。今後、具体的な計画の策定方法など連載させていただくこともあろうと思いますので、その際はよろしくお願いいたします。これまでのご愛読誠にありがとうございました。

執筆者:インクグロウ株式会社 平川 智章

関連するその他のコラム