» 経営者の資産形成について①~知ってて損は無い!株の買い方・売り方~

2016年12月5日

初めに

ここもと、株式の価格が大きく値上がりしています。

去る11月8日のアメリカ大統領選を経て、日経平均はそれまでの高値を超え、2万円に迫ろうか、という勢いです。

 

新聞やテレビ、各種メディアや、証券会社のレポートにはでは「ドナルド・トランプ氏の新政策に期待」や、「アメリカ大統領選を経て、イベントが終了したことにより、様子を見ていた投資家が戻ってきた」など、様々な報道がなされています。

 

しかし、相場というものは非常に面白く、それはあくまでも「結果論」でしかなく、各々のメディアが報じている株式をはじめとした相場の変動理由は「どれもが正解」とも「どれも不正解(もう少し踏み込むならば、「どの変動理由もすべてを網羅したわけではない」)」とも言えます。

そこが相場の面白いところでもあり、逆に言えば、難しいところでもあります。

 

 

 

さて、現在ビジライフの読者の方々の中には株式を含め、金融商品に投資をされている方が多いのではないでしょうか。

今回は「株はどうやって買うのか」、「どうやって売るのか」という点について説明をしていきます。

 

ただし、最初に申し上げますと、このやり方はあくまで「一つの方法」でしかありません。ですので、あくまで『参考程度』に留めておいて頂きたいと思います。

 

株式を見る場合、いくつかの方法がありますが、今回紹介をするのは、『市場の平均値と購入する株式のかい離』に着目する方法です。

そこで注目をして頂きたいのが、以下の2つの指標です。

  1. 株価収益率(Price Earnings Ratio、通称PER、以下、PERと記載します)
  2. 株価純資産倍率(Price Book-Value Ratio、以下、PBRと記載します)

の2つです。

ここからは上記の2つの説明をします。

 

「PER」とは

「PER」とは、簡単に言うと「1株当たりの利益に対して、今、何倍の株価がついているのか」ということを、表す指標です。もっと乱暴に分かり易く説明をすれば、「他の株と比べて、その株がお買い得かどうか?」を表しています。

これだけだと少しわかりづらいので、もう少し深く説明をします。

PERは以下のように計算をして求めます。

 

・PER=株価÷一株当たりの利益

 

これを見て頂くと先述した「1株当たりの利益に対して、今、何倍の株価がついているのか」という

理由がお分かり頂けるかと思います。

例えば、株価が500円で1株あたりの利益が50円の株式ということは、PERは

 

500円÷50円=10倍

 

よって、この株式のPERは10倍となります。

ちなみに直近(2016年12月2日終値ベース)では、日本市場のPER平均値は15.80倍となっています。

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「PBR」とは

「PBR」とは、簡単に言うと「1株当たりの会社の財産に対して、今、この株は何倍買われているのか?」というものを見る指標です。

 

・PBR=株価÷一株当たりの純資産

 

これをみて頂くと先述した「1株当たりの会社の財産に対して、今、この株は何倍買われているのか?」という理由がお分かり頂けるかと思います。

例えば、株価が400円で1株当たりの純資産が500円である場合、

 

400円÷500円=0.9倍

 

よってこの株のPBRは0.9倍となります。

一般的にこのPBRは1倍を超えると「割高」(高い、買われている株)、1倍を下回ると「割安」であるといえます。

 

少し深い説明をすると、株主(株の所有者)は株式を購入し、間接的に会社の資産を保有しているといえます。つまり、このPBRが0.9倍であるということは会社の資産を間接的に保有するコストが9割のお金で済むということです。

図にすると以下のような形であらわすことが出来ます。

 

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『No.1アナリストがいつも使っている投資指標の本当の見方:吉野 貴晶著より作成』

ちなみに直近(2016年12月2日終値ベース)では、日本市場のPER平均値は1.30倍となっています。

では、次はここまでで説明したPER、PBRを使って、具体的に株価と市場平均値とのかい離を見ていきましょう。

「PERとPBRを使って株の買い時、売り時を考える」

このPERとPBRは各々の株式の会社や業界によって大きくことなります。

ですので、大前提として「これらの値を同じ業界の会社内で比較をする。」ということが重要になります。

読者の方々の中には複数の会社の決算書を見た方もいらっしゃると思います。

その際に各業界ごとに決算書の内訳や資産、負債の特徴に大きく差があることがあったと思います。

ですので、PBRとPERは同じ業界内で比較をして頂くことが大前提となります。

 

この大前提を踏まえた上で、以下の表をご覧ください。

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『Yahoo!ファイナンスよりデータを抜粋』

 

 

上記の図は2016年12月2日の終値における日経平均株価と市場PER、PBRの平均値と、

織田産業、羽柴興産、徳川商事の株価、PER、PBRです。

上記の3社はすべて架空の会社ですが、それぞれ、資源や食品を扱う商社です。

 

まず、この3社の1株あたりの純利益、1株当たりの純資産を求めます。

式としては、先ほど説明したPER、PBRの式をそれぞれ変形して、

 

・株価÷PER=1株当たり純利益

・株価÷PBR=1株あたり純資産

 

となります。

計算すると、それぞれ3社の1株あたりの純利益、1株当たりの純資産は以下の表のようになります。

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さらに、この1株あたりの純利益、1株当たりの純資産のままで、3社の株式が市場平均値のPERである15.80倍、PBRである1.30倍まで購入されると仮定した場合、株価の『理論値』は以下の表のようになります。

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つまり、上記の3社はPER、PBRの市場平均値からのかい離を見た場合、どちらから見ても割安であると言えます。

また、この計算を応用すると、期間までは分かりませんが、今の株価が市場平均のPER、PBRまで買われた場合、何円株価が上昇するか、という「目星」もつけることが出来ます。

例えば、織田産業なら、PERから見ると761.07円、PBRで見ると891.07円、現状の株価と市場平均値でかい離があることが分かります。

この計算式は『期間まではわからないが、株価と市場理論値とのかい離』が分かるといえるのではないでしょうか。

そして、『株を買うときは市場平均値を下回るPER、PBRの値の株を買い、市場平均値のPER、PBRまで買われたら売却する』という戦法を取ることも可能であると考えることができます。

終わりに

あくまで、今回説明をしたのは株価と市場理論値とのかい離を見ていく方法です。

ですので「このやり方をやれば必ず儲かる」というものではありません。

しかし、投資の尺度を図る一つのやり方として覚えて頂ければ幸いです。

 

参考文献:No.1アナリストがいつも使っている投資指標の本当の見方:吉野 貴晶著

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