» 中期経営計画 ~経営ビジョンを策定する~

2017年2月20日

経営ビジョンを策定する。

前回の『経営理念を明確にする』に引き続き、今回は、『経営ビジョンの策定』について考えていきたいと思います。

経営ビジョンの定義は、一般的に『経営理念のもと、自社の目指す将来の具体的な姿を社員や顧客社会に対して表すもの』です。経営理念は、社長の想いや会社の存在意義を明文化した普遍的なものですが、経営ビジョンは経営理念に沿った形で一定期間ごとの展望を社内のみならず社外に対して「見える化」してより具体的にあるべき姿を設定していくものです。『ビジョン』とあるように、鮮明に画像としてイメージできるようなものにすることが望ましいです。経営ビジョンは、あくまでもこうなるであろうという「仮説」ですので、一定期間ごとにどこまで達成できたか「検証」して3年後、10年後、30年後と経営理念を維持しながらも「仮説」と「検証」を繰り返して環境の変化や自社の状態によって変えていきます。

中期経営計画の作り方 ~会社を成長させられる経営計画とは~


経営理念と経営ビジョンの例

ソフトバンクグループ

経営理念『情報革命で人々を幸せに』

経営ビジョン『「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指して

 

~ソフトバンクの目指すもの~

◇300年間成長し続ける企業グループ

事業領域である「情報産業」において、特定のテクノロジーやビジネスモデルにはこだわらず、その時代、時代で、世界で最も優れた企業とパートナーシップを組み、長期間にわたって成長できる企業集団を目指します。

 

◇戦略的シナジーグループ

ソフトバンクグループは、自己進化と自己増殖できる戦略的シナジーグループをつくることで、志を共にするグループ企業を30年以内に5,000社規模に拡大したいと考えています。

 

◇次の時代を担う後継者の育成

ソフトバンクグループの次の時代を担う後継者の発掘・育成のため、2010年7月28日に「ソフトバンクアカデミア」を開校しました。グループ内外から生徒を募り、創業者である孫自身が初代校長として、直接指導し後継者を育成していきます。

 

ソフトバンクの事例をみてもわかるように、『情報革命で人々を幸せに』という経営理念から自社の目指すべきものを明確にしているのが経営ビジョンであることがわかります。実際に、「300年間成長し続ける」や「30年以内に5000社規模」「孫正義以降の後継者育成」など明確に示されています。ホームページには、イメージ映像もついており、より鮮明に彼らが目指すべきビジョンが描かれております。

 


経営ビジョンの作り方

それでは、経営ビジョンはいかに作成していくのが良いか。経営ビジョン作成に至っては、どのように作成すべきかという決まったものはありません。しかしながら漠然とこうなったら良いだろうと作っても、ビジョンとして鮮明なものにはなりません。そこで、まず次のような3つの視点から考えていくと、3年後のあるべき姿がイメージしやすくなり、より具体的になっていきます。

 

  • 自身にとってどんな会社になっているか
  • 社員にとってどんな会社になっているか
  • お客様にとってどんな会社になっているか

 

ソフトバンクの事例でみると、

自身にとってどんな会社なっているか 『300年間成長し続ける企業グループ』『グループ企業30年以内に5000社規模』になっている。

社員にとってどんな会社になっているか グループ内外から生徒を募り、創業者である孫自身が初代校長として、直接指導し後継者を育成していきます。従業員にとってみては、非常にチャンスのある企業であり成長意欲の高い人間にとっては、働き甲斐のある企業であると思います。

お客様にとってはどんな会社になっているか  「情報産業」において、特定のテクノロジーやビジネスモデルにはこだわらず、その時代、時代で、世界で最も優れた企業とパートナーシップを組み、長期間にわたって成長し続ける。裏を返せば、その時代その時代で顧客が必要となるサービスを提供し続ける企業グループとなるともいえます。

 

このように、3つの視点から整理をしながら、経営ビジョンを策定していくことがわかりやすいかと思います。先にも記載のとおり、経営ビジョンについては、特に定められた策定方法があるわけではありません。自社が本当に行いことを鮮明に「ビジョン」として「画像として」描けるかが重要となります。

執筆者:インクグロウ㈱ 取締役 中小企業診断士 照井 久雄

 

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