» 中期経営計画 ~あなたの会社は何業か~

2017年2月22日

事業ドメインとは

今回は、自社の可能性を広げることができる「事業ドメイン」についてです。自社の真の業種は何業なのか、 一緒に考えていきましょう。「事業ドメイン」という言葉はあまり馴染みのない言葉ですが、 一般的には「事業領域」や「会社の生存領域」という意味で使われています。事業ドメインを一言でいうと「自社は何を提供する会社なのか?」ということです。現在の取り組みを再定義して、新たに気づきのあった領域が真の事業ドメインとなります。つまり自社が「建設業」であっても、それまでの建設のノウハウを活かして「人々の暮らしを豊かにする業」と再定義するのであれば、一見新規事業にも見える「デイサービス事業」や「学習塾の経営」なども事業ドメインになるということになります。多くの会社は自社が行っている事業を狭い範囲で設定してしまうため、その事業領域に固執してしまい、環境の変化に取り残されたり、本来打って出られた市場機会を逃してしまっているという現状があります。広い概念で業務を考えることができれば従来の業務とは違った可能性を広げることができます。今回は会社の殻を打ち破ってくれる「会社の生存領域」について考えてみましょう。

中期経営計画の作り方 ~会社を成長させられる経営計画とは~

 

事業ドメインで将来が変わる

まず実際の会社で「事業ドメイン」をみてみましょう。東京ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドは、単なる「遊園地の運営」ではなく「心の活力創造事業」を事業ドメインとして定義付けしています。もしオリエンタルランドが事業ドメインを「遊園地の運営」とだけ定義付けしてしまっていたら、活動できる範囲が遊園地の中だけに狭まり、遊園地以外でディズニーのサービスを求めるお客様のニーズを発掘できないまま、市場機会を逃してしまっていたかもしれません。オリエンタルランドのケースでは、事業ドメインを「心の活力創造事業」と広げることによって、テーマパークの運営だけでなく、ホテル事業、複合型商業施設の運営を通じて、ディズニーのサービスによってお客様に感動を与え、遊園地以外での市場機会を獲得しています。

また、電器店A社の事例では、「街の電器屋」という事業ドメインから「お客様の豊かな電化生活の提案業」と事業ドメインを再定義することにより、地域のお客様のニーズをつかみ、大手量販店との差別化を図ることができた、というものがございます。事業ドメインが小売業だけだった時は、大手量販店と同じ製品を販売することになり、価格勝負となって苦しい経営となっていましたが、事業ドメインを「お客様の豊かな電化生活の提案業」とすることで、「御用聞きによるサービスの提供」、「大手量販店ではなかなかできないユニークなイベントの開催」など、サービスに付加価値をつけて広げたことによって、売り 上げを拡大することができたのです。

このように、近視眼的になるのではなく、お客様のニーズを把握して、事業ドメインを再定義することによって、再び存在価値をアピールすることができるのです。自社の業種は現在何業でしょうか?事業ドメインを再定義することにより「○○業」になるのか、ぜひ試してみてください。

 

事業ドメイン作成時の注意点

最後に、事業ドメインを再定義することにより、メリットとデメリットが生まれます。まず、経営者が事業ドメインを再定義することにより、会社の生存領域が明確になるので、 「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の限られた経営資源を、明確になった生存領域に振り分けることができます。また、事業展開するうえで、現在不足している経営資源も明らかになることから、不足している経営資源を補う方針が決まります。

一方で、事業ドメインを再定義する時に注意点もあります。事業ドメインを狭くし過ぎた場合は、潜在的な市場機会を失うことになりますし、事業ドメインを広げすぎた場合は、経営資源が分散化しすぎて、それぞれの事業が希薄になる可能性もあります。せっかくSWOT分析を行って経営資源を把握したのですから、限られた経営資源を最大限に生かしながら、お客様のニーズに応えてどこまでドメインを広げられるか、考えていくことも必要となります。

執筆者:インクグロウ株式会社 中原 陸

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