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5%ルール

金融商品取引法第27条の23のことで、通称5%ルールと呼ばれている。

上場会社の株式等を5%以上取得した場合には、取得したその日から5営業日以内に内閣総理大臣に大量保有報告書を提出しなければならない制度である。

その保有者が保有株式の1%以上の増減を伴う売買をした場合や、保有者の重要事項に変更があった場合にも、同じく変更報告書を提出しなければならない。

TOB

短期間で株式を大量取得するための方法として、株式市場を通さずに新聞公告等などを用いて対象とする企業の株主から直接買い付けすること。

公募できる期間は最長で60営業日。その間に応募数が3分の2以上集まった場合には、公募者は応募のあった全株式を買い取らなくてはいけない。

なお、TOBは友好的TOBと敵対的TOBに分類され、募集する対象企業側の承諾をもらっているか否かによって区分されている。

意見表明報告書

TOBに際して、公開買い付けをされる株券の発行会社が、その公開買付けに対する意見(賛同かどうか等)を記載した文書で、10営業日以内に内閣総理大臣に提出する必要がある。

この報告書は公開買い付け者および上場証券取引所または証券業協会にも送付しなければならず、管轄財務局や証券取引所等で公開される。

本報告書の意味は、公開買い付けをされる株券の発行会社によってこの公開買付けの位置付けを明確にし、一般投資者の保護と証券市場の信頼性の確保にある。

SOX法

サーベンス・オクスリー法の略で、正式名称は「Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002」。

企業の会計不正が相次いだ米国が制定した法規で、2002年に成立された。

企業会計の信頼性を高めるとともに、内部統制の強化を目的とした米国連邦法である。

この法に倣い、日本でも上場企業や連結子会社に対して会計監査制度を充実させ、内部統制強化を義務付ける日本版SOX法(金融商品取引法)を2006年6月に制定した。

XBRL

企業の財務報告情報を共有化できるように標準化されたXML言語を会計分野に適応したもの。日本の上場企業は2008年4月以降、このフォーマットでの提出が義務付けられている。

従来の紙の報告書よりもコンピュータ処理が容易であり、データの連携や分析の効率化と精度を高められるだけでなく、世界規模で財務データを共有化することができるため、大きな期待を寄せられている。

インサイダー取引

上場会社役員もしくはその子会社や関係者などが、当該会社の株価に大きな影響を与える事実を知ったうえで、その事実が公表される前に当該会社の有価証券等を売買すること。

内部者取引とも言われるこのような取引は、一般投資家と比較すると明らかに不公平であり、健全な取引とは言えない。そのため証券取引法によって厳しく規制されている。

この法に違反した場合、個人であれば5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人であれば5億以下の罰金となる。

売渡請求

相続などで株式を取得した株主に対し、定款に定めておけば、相続人の同意がなくても会社が株式を売り渡すことを請求できる制度のこと。

一般的に同族会社は相続によって株主が分散する傾向にあり、会社経営にとって好ましくない者に株式が分散するケースもあった。

新会社法では約款に定めておくことで、これを未然に防ぎ、円滑に事業承継できるようになった。

ただし、1年以内に株主総会の特別決議をもって請求しなくてはいけないこと。株式売買価格は当事者との協議となり、合意しない場合は裁判所に申立てること。剰余金による分配可能額を超えた金額での買取りはできないことなどが決められている。

合併転換法

1968年6月に施行された「金融機関の合併及び転換に関する法律」のこと。

金融機関が異業種も含めて適正な競争と金融の効率化を目的にした、普通銀行、長期信用銀行、信用金庫、信用組合の合併と業態の転換に関する制度。

1992年には法改正され、長期信用金庫、外国為替専門銀行などとの合併や転換も認可されるようになった。

合併対価の柔軟化

吸収合併では、吸収され、消滅してしまう会社の株主には、存続する会社の株式のみが対価として交付されることに限定されていた。しかしながら会社法が施行されることにより、現金や株式、社債、新株予約権なども認められるようになった。

これにより、消滅会社の株主に金銭のみを対価として交付する現金合併ができるようになった。この方法なら株式の移動がないため、組織再編の前と後で株主構成が変化せず、経営状況を維持して再編できる。

また三角合併と呼ばれる、消滅会社の株主に存続会社の親会社の株式を交付する合併もできるようになったため、グループ企業の組織再編にも活用されている。

経営判断の原則

会社の経営判断は、取締役会の決議によって行われています。

この経営判断は、取締役なら自由に何でもできるわけでなく、一定のルールで行わなければなりません。

これを経営判断の原則と呼びます。その内容は、判断の前提である事実の認識に不注意な誤りがないことと、判断の過程・内容が著しく不合理でないこと。

この内容に反した経営判断によって会社に損害が発生した時、取締役は義務違反となり、会社に対して損害賠償責任を負います。

しかしながら、経営判断の原則に沿った経営判断であれば、取締役の注意義務違反を認めないという法理が一般化している。

コベナンツ

約束や誓約の意味であり、金融機関が融資などの際に契約内容に盛り込む特約条項を示している。

これは融資や社債などを契約する金融機関に不利益が生じたときには、金融機関の側から契約解除や条件変更ができるなどの条項が契約内容に盛り込まれるもの。

ゴートンモデル

配当還元の一方式を指し、配当に着目しながらも最終的には収益還元法に立脚した企業評価方法。

株価算定に際し、内部に留保している再投資額が生み出す将来利益を配当の増加要因としてとらえ、内部留保率を考慮して算定する。

算定方法は株価=1株当たり配当金÷(資本還元率-投資利益率×内部留保率)となる。

ゴードンモデルの考え方は、算定のための要素は不変、留保の内部資金は全て現業に再投資、資本コストは成長率より大きい、という前提に基づいたものである。

産業再生法

正式名称は産業活力再生特別措置法。1999年に施行され、2009年に改正された。

再建を図る企業が事業再構築の計画書を所管官庁に提出、認定されれば、欠損金繰越期間の延長、登録免許税・不動産取得税の軽減、日本政策投資銀行からの低利融資などが受けられる。

なお2009年の改正時には、公的資金による資本増強支援策が追加された。

サンセット条項

2005年5月に示された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に基づいたものである。

買収防衛策が正当なものであることを裏付けるために、買収防衛策を株主総会などで定期的にチェックする仕組みになっている。
これにより、経営陣が自己保身のためだけに買収防衛策を設定することを抑制している。

スーパーマジョリティ条項

買収防衛策の一つで、株主総会での決議条件を厳しくし、買収意欲を失わさせることを狙った策。

株主総会決議要件として、90%以上の株主賛成を要するなどを約款に謳うなどの方法があるが、あまりに厳しくし過ぎることで、本来必要な自社の意思決定を妨げる場合もある。

チェンジオブコントロール条項

Change of Control条項といい、COC条項と略される。

対象会社の支配権を持つ人物が変わる、すなわち株主や代表者といった人物が変わることが契約の解除事由に抵触したり、変わる前もしくは変わった後に契約相手に対して、通知か届出をしなくてはいけないとする規定のこと。

特に銀行との契約にはこの条項が規定されているので、必ず通知もしくは届出を行う必要がある。

また仕入先や販売先との取引基本にも規定されていることが多い。