» 事業承継関連

相続

ある人物の財産法上の権利義務をその人物の死後、特定の者に一切の権利、義務を引き継ぎ承継させること。

死亡者を「被相続人」、承継者を「相続人」と呼び、現金預金や土地建物などだけでなく、借入金の返済義務なども相続の対象となるが、民法では相続人に相続を承認するか放棄するかの自由を認めている。

なお相続の認証には単純承認、限定承認、相続放棄の区分がある。

単純承認は財産だけでなく、借入金の返済義務も含めて全て引き継ぐこと。

限定承認は、プラスの財産から借入金などを弁済するが、債務超過になった場合に相続人の財産で弁済する責任を負わないこと。

相続放棄は全ての財産を一切相続しないということ。

上場

東京証券取引所や大阪証券取引所などの証券取引所で、その会社の有価証券(株式や債券など)や各種の権利・商品などの売買を可能にすること。

証券取引所以外の証券会社店頭では、非上場株式や公社債などが取り引きされており、この場合は上場と区別して、登録と呼ばれる。

上場のためには業績推移や財務体質、株主構成などの上場基準に合致し、審査に合格する必要がある。

株式公開

未上場企業が自社の株式を証券取引所に新規上場させ、第三者による自社株売買を可能とすること。

株式を公開すると株式市場から多額の資金が入手でき、それを経営資源にできるので、事業発展の可能性が高まる。

これ以外にも創業者利益の顕在化、企業の知名度や社会的信用度の向上にもつながるだけでなく、事業承継問題の解決、人材採用の有利化、社員の仕事意欲向上なども期待できる。

しかしながら、株式公開にあたっては大変な労力が必要で、コストもかかる。

公開後は社会的責任も高まり、業績向上の期待に応えなくてはならないばかりか、買収されるリスクも高まる。

出口

M&Aで用いられる用語で、イグジットとも言われ、投資者が投資を回収する手段のことを指す。別の言い方ではハーベスティング(収穫)と言う場合もある。

投資先の株式を公開して上場株として売却する方法や、他の企業に投資先企業を売却するM&Aなどがこれにあたる。

オーナー経営者が用いる場合は、投資回収の意味や広く経営権を継承するための手段を指す。

ハッピーリタイアメント

豊かな老後資金を確保できた後、現役から引退し、悠々自適の生活を送ること。

会社員の場合は定年があるが、オーナー経営者の場合は定年などが無いため、自身で引退する年齢を決めることになる。そのため、老後資金をどれだけ確保できたかによって引退の時期を決めることになる。

2012年問題

1947年から1949年生まれの団塊世代が60歳を迎え始め、一斉に引退するのではないかと懸念されたのが2007年であったが、法改正により年金をもらえるのが63歳~65歳に引き上げられた。そのため、それまで働き続ける人が多く、2007年問題は顕在化しなかった。

しかしながら、団塊の世代が年金を受給できる2012年頃になっても後継者は不在であることから、事業承継問題が深刻化し始めている。

このことを指して2012年問題と呼ぶ。
帝国データバンクの「後継者不在企業の実態調査」では、全国・全業種の65.9%は後継者不在で、国内2/3の企業で後継者が決まっていないとのこと。

親族内承継

配偶者や息子、娘、娘婿など、血縁・親族関係の者が後継者となる場合の承継のこと。

また将来、息子や娘に承継させるまでの間の中継ぎとして、一時的に配偶者が後継者となる場合もある。

親族内承継は、どの関係者からも心情的に受け入れられやすく、早い時期から後継者を決定できるので、教育等の準備をすることができる。また、株式や事業用資産を後継者に相続させられるので、オーナーと経営トップを同一にできる可能性が高くなる。

しかしながら、親族内に経営者としての資質や意欲を持つ人物がいるかどうか、相続する人物が複数いた場合には、後継者へ経営権集中させることが難しいなど、状況によっては親族内承継が困難なケースもある。

今までの中小企業では親族内承継が主流であったが、近年では親族が家業を継ぎたがらない傾向が高くなってきているため、親族以外に承継させようとするケースが増加してきている。

親族外承継

血縁や親族以外の者が承継する場合のことで、親族内承継の反対語。

社内での承継であれば、役員などの若手経営陣が対象になり、社外に承継する場合は、取引先もしくは取引金融機関から招聘した人物が対象になることが多い。

会社の役員などに譲渡することをMBO、会社関係者以外に譲渡することをM&Aと呼ぶ。

また将来、親族に承継するまでの中継ぎとして、従業員へ一時的に承継する場合もある。

親族外承継は、親族に後継者がいなくても、広く後継者を求めることができるだけでなく、従業員に承継する場合は経営理念を引継いでもらえ、内外の理解も得やすい。

しかしながら後継者候補に資金力が無く、株式を取得できない場合や、金融機関からの個人保証に対する理解が得られない場合もある。また後継者候補に経営への強い意志が無いなどのケースは承継が難しくなる。

人的承継

後継者に安心して会社経営を任せられるよう、経営ノウハウや人脈など、事業に必須の人的な関わりを承継すること。

人的承継は社長と後継者の間で行われるべきことで、後継者が経営権を持っていなければ意味のないことであるため、株の承継(物的承継)と合わせて考えるべきである。

物的承継

経営権確保のために必要な自社株の承継のこと。

自社株の評価額が高ければ相続税や贈与税の負担が大きくなるため、スムースな承継の妨げになるだけでなく、会社経営にも大きな影響を与える。

自社株承継を生前に行なうのか、相続時なのか、また承継は相続もしくは贈与、または譲渡なのかによって税負担が異なってくるため、考慮が必要である。

なお、物的承継だけでは後継者が満足な会社経営をすることはできず、人的承継も合わせて考えなければならない。