» Case2 社員への継承問題をM&Aで解決

「従業員に引き継ぐためのハードルを予め理解し、やるなら決意と早目の準備を」

身内に後継者が見つからず、長年共に苦労してくれた従業員なら会社を任せても安心だとお考えの経営者の方は多くいらっしゃるでしょう。
確かに長年一緒に働いてきた従業員なら、事業についての考え方も理解してくれているでしょうし、経験もあります。
任せられるとお考えになるのも分かります。
ですが、現実的な問題としてこんな例があります。

ある地域密着型スーパーマーケットの場合です。
地元で人気があったため、店舗数を増やしていき、今では4店舗までになりました。
店舗を増やす際の費用は金融機関から融資を受けていましたが、このまま売上げが推移すれば問題ないはずでした。
でも経営者はそろそろ高齢で、後継者を決めなければいけない時期です。
廃業してしまうと地元の人達が普段の買い物に困るのは明らかです。
子供もいなかったため、今後は創業当時からずっと仕事を共にしてきた従業員に引き継いでもらうつもりでいました。

ところが、実際に事業承継となった時、従業員に資金力がないことが分かりました。
金融機関は保証人の切り替えに難色を示し、後継者候補も家族から多額の債務を背負うことに反対されてしまいます。
このままでは会社清算・廃業するしかありません。
廃業して土地と建物、什器などを処分しても、金融機関の債務は多く残ってしまいますし、金融機関の債務は全て経営者自身が保証人になっています。
八方ふさがりで困った末に、第三者への事業承継を検討したところ、スムーズに話は進み、その地方で多角的にスーパーマーケットを展開している企業に売却することができました。
元経営者は債務を背負うこともなく、多額の売却益でのんびりと過ごされています。
また今までの従業員もそのまま働いています。

このケースで分かるように、承継させようと思っている従業員に資金力や信用が無ければ、金融機関ではそれまでの経営者を保証人から外すことに難色を示します。
また、後継者候補が突然リスクを背負うことに家族が反対するのも当然でしょう。

従業員に事業承継してもらうには、大きなハードルが幾つもあるのです。
しかも全てのハードルを乗り越えなければ事業承継は実現しません。
もし、これらのハードルを乗り越えることは不可能だと思われるのなら、M&Aで第三者に事業承継してもらうことがベストだと考えられます。

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