» Case3 後継者不在をM&Aで解決(会社清算とM&Aの違い)

「時間をかけて蓄積した実績や技術、信用を欲しがる企業は多い」

後継者がいないからといってすぐに廃業と決め付けてしまうのは早計です。
廃業には多くのリスクとデメリットがあることを理解しておかなくてはなりません。

ある自動車部品製造会社の実例です。
その会社はある自動車メーカーの内燃関連パーツを製造しており、創業以来ずっとそのメーカーの部品だけを作り続けてきました。
金融機関からの借入もありましたが、経営者ももう高齢で、子供二人は既に嫁いでいます。
経理は経営者の奥さまが担当していました。長年苦労を共にしてきましたが、お互い体力的にも厳しくなってきて、今後会社をどうしようと考えた時に引き継いでくれる人がいないことに気が付きました。

廃業するしか選択肢はないと考え、旧知の同業会社に従業員の雇用について相談すると承諾してくれたので、税理士に手続きなどについて相談しました。
すると、廃業してしまうと金融機関からの債務は経営者の個人債務になってしまうこと、会社清算の場合、土地は半値近くになってしまうだけでなく、建物、機械なども価格が付かない場合もあることを聞かされました。
これでは廃業しても債務だけが残ってしまいます。
現役から引退しようと考えているのに、債務だけが残ってしまってはどうしようもありません。
そして税理士から、第三者に会社そのものを売却する方法があることを説明され、M&Aを決意されました。
その結果、この会社は、同じ自動車関連の部品を製造する企業が事業承継しました。
承継した会社は、今まで内燃機関以外のパーツを製造していましたが、製造できるパーツの分野を広げたいと考えていたところだったそうです。

従業員の雇用も守られ、元経営者の債務保証も外されました。
また創業者利益を得ることができたご夫婦はお二人で海外旅行に行くことが楽しみとのことです。

長い間事業を続けてきた会社には、長期間続けられるだけの何かしらの技術やポテンシャルが必ずあります。
そして、その何かを欲しがっている企業もあります。
また、それだけのものを生みだしてきた創業者には、それだけの利益を得る資格があるはずです
廃業は今までの全てを無にする行為であることを知っておいてください。