» Case5 経営資源の集中と事業の拡大のためにM&Aを活用

「M&Aは選択と集中における応答手段」

事業を拡大させていくためには、どうしても経営資源が必要になりますが、経営資源には限りがあります。
いくつかの事業を展開している場合、その中でも今後期待できると思われる事業があるのなら、限られた経営資源を集中的に投入する必要があります。
そのために現在は業績を上げている事業であっても、今後あまり期待できない、もしくは効率的に業績を上げられないと思われる事業を売却する手法も有効です。

成長目覚ましいインターネット広告代理店の例をご紹介しましょう。
社長はまだ30代と若いながらも成長意欲が旺盛で、時代の先読み感覚にも優れた経営者です。
幾つかの事業を手掛けていた中に、ガラケーサイトでの通販事業がありました。
売上は20億円、営業利益5千万円以上ある事業でしたが、その頃からスマートフォンが普及しはじめており、ガラケー使用者は減少しつつありました。
ガラケーサイトで獲得した顧客をスマホサイトに誘導することは難しいこと。
またスマホサイトで通販事業を展開したとしても、PCサイトと差別化できなくなるために競合が増えてしまうこと。
そして、この事業を伸ばしていくためには追加の投資が必要であることなどから、他の事業に経営資源を集中したほうが効率的だと考え、売却に至りました。

売却先はPCサイトで健康食品などを販売している企業で、今後は携帯サイトの販売を充実させたいと考えていたことが買収の動機でした。
その後、譲渡企業であるインターネット広告代理店は別事業に経営資源を投下して業績を上げ、健康食品販売会社もますます好調な業績を続けています。

このように、業績を上げている事業であっても、今後は別事業に投資したいと考えるケースもあるはずです。
もちろん、あまり好調とは言えない事業を整理したい場合もあるでしょう。
事業は現状を維持させていくだけでも経営資源が必要になります。

本当に経営資源を集中させたい事業があり、それが成長戦略につながっていくのなら、紹介した実例のように売却を決意することも必要ではないかと思います。

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