» Case2 従業員の待遇改善を図り、能力を発揮させるためM&Aを活用

「M&Aは従業員をリストラするものではなく、士気を高めるために活用できる」

会社が成長していくためには、効果的な経営戦略の立案だけでなく、会社の方針に従って従業員に努力してもらわなければ結果を出すことはできず、会社の成長もあり得ません。
会社が成長戦略の一手としてM&Aによる売却を選択した場合、従業員は今までと同じように努力してくれるのでしょうか。
一般的なイメージでは、M&Aは従業員のリストラや買収後の不遇な扱いなどを想像するかもしれません。

ある特殊印刷を専門に手掛けている印刷会社の例を紹介します。
この会社は特殊印刷の分野では有名で、小規模ながらも今までは堅実な売り上げで推移していましたが、印刷物そのものが減りつつある現状では今後の拡大は期待できなくなっていました。
少しづつ減っていく売り上げが気になるも、新しい分野を開拓する術がありません。
このままではいつか危機が訪れてしまうと考えた経営者は悩んだ末、M&Aで会社を売却し、大手企業の傘下に入ることを決意しました。

買い手企業は業界大手の印刷会社で、販路拡大と特殊印刷などの新分野に参入するための戦略的M&Aを検討していたところでしたので、特殊印刷会社の全株式を取得し、子会社化しました。
子会社になった特殊印刷会社には親会社から経営者が派遣され、全社員の前で、継続的な雇用と業績向上の際の厚待遇を約束しました。

その後、今までの特殊印刷の技術に、親会社のブランド力などが加わると、仕事量が圧倒的に多くなり、仕事内容も今までの領域から広がってきました。
そして、業績が上向いてくると、従業員の士気も全く変わってきました。
結果を出した従業員にはそれなりの報酬や職位が約束されているからです。
これが更なる業績アップにつながり、親会社の新分野での業績も好調を保っています。

このように大手企業とのM&Aは、仕事量や分野の拡大、業績アップだけでなく、それにともなって従業員の待遇改善もできるようになります。
そして待遇改善は更に従業員の士気を高めることになり、業績アップにもつながっていくのです。

これは、M&Aによって戦略的な経営と資本注入ができ、ブランド力や信用力が高まったために業績がアップしたからこそできたことです。
M&Aは、活用方法によって、それだけの力があることを知っておいてください。