» Case2 川上・川下・横展開をM&Aによるシナジー効果で効率化

「領域拡大は、M&Aを活用すれば時間とコストが大幅に削減できる」

企業が拡大を目指していく時、現在の自社のポジションからより消費者に遠いポジションにある川上産業へ、そしてより消費者に近い川下産業に拡大していくことは、業界の流れや仕組み、そして事情や状況などを把握しているために比較的多く行われており、取り組みやすい拡大と言えます。
ただし、業界の今後に行き詰まりを感じており、横への拡大、つまり業界とは関連があるものの少し違う業態に拡大させようとした場合、独力で進出して定着・拡大させていくにはノウハウが無く、時間やコストなども大幅にかかってしまいます。

ある美容関連企業の例を紹介しましょう。
その会社は美容関連用品や健康食品、スキンケア用品などを製造販売していましたが、非常に競争が激しい世界で、消費者の興味は常に新しい商品に向いてしまいがちです。
新製品の開発に重点を置いてはいますが、発売に至るまでには時間とコストがかかってしまいます。
そのため新たな拡大の方向性を模索していましたが、ある時、身体に良いものだけを食材に使った自然食の飲食店売却の話を聞きました。
この飲食店はチェーン店で、店舗数は7店舗あります。
即座に話を進め、買収が成立しました。

買収がスムーズに進んだのは、店のブランドを引継ぐこと、従業員の雇用を継続することにありました。
これは飲食業の経験やノウハウがない美容関連企業にとって、ノウハウを入手できるだけでなく、ノウハウを持った従業員を一気に雇用できることでもあります。
またこの飲食店に付いている顧客は健康への意識が高く、健康食品をアピールすることもできます。
同時に、美容関連企業の健康志向を今まで以上に強く世の中にアピールすることもできるわけです。

その後、この飲食店では健康食品の展示や販売なども行ない、業績も好調を保っています。
また美容関連企業のイメージは以前より健康志向が強くなり、健康食品の売上げも向上しています。

このように自社独力では拡大に時間や費用などがかかる事業でも、M&Aを活用すれば、短期的にノウハウ、情報、人材、顧客、場合によってはブランド力さえも入手でき、シナジー効果も得ることができます。
横方向へ事業領域を広げるためにM&Aは活用すべき手法だと言えます。