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テーマM&Aに成功している企業はどこ?

「M&Aで成功している企業はどこか?」

M&Aが活発になっているというのはよく言われることですが、実際に成功している企業はどこでしょうか。

各分野の専門家がそれぞれの視点で紹介させていただきます。

 

 

「M&Aで成功している企業は?」

2016年11月23日
平川智章

M&Aアドバイザー
インクグロウ株式会社 事業戦略部 サブマネージャー M&Aシニアエキスパート 1984年1月生まれ 新卒で入社した会社で中小企業の販路拡大支援業務、フランチャイズの法人営業業務を行う。その後、グループより独立したインクグロウに転籍し、中小企業を中心としたM&A仲介業務を行っている。 北海道東北、関東、関西、東海など全国の企業から依頼を受け、M&A仲介業務を行っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「M&Aで成功している企業」

というテーマで執筆をさせていただくことになりました。

M&Aで成功している企業を紹介するにあたり、

まずは「M&Aで成功する」とは何か?

という所から考えていきたいと思います。

 

 

~「M&Aで成功する」とは何か?~

「M&Aで成功した」

と胸を張って言えるための第一条件は何と言っても

「M&Aで期待する効果を得られたか否か」

ということだと思います。

M&Aには、必ず目的があります。

買い手であれば

・同業を買収して、スケールメリットを得たい

・製造機能を買収して、原価を削減したい

・小売機能を買収して、販路を確保したい

・売り手企業の持つ、特殊なノウハウを吸収したい

売り手であれば

・後継者不在問題を解決したい

・優先順位の低い事業を譲渡し、優先順位の高い事業に集中したい

・資金を調達したい

など、様々な目的の下にM&Aが実行されます。

大まかにいえば買い手であれば「企業成長の実現」、

売り手であれば「売却した企業・事業の存続発展」、「個人のライフプランの実現」

といった所になるでしょうか。

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~企業成長を実現されている企業~

 

その意味で、買い手としてM&Aで見事に企業成長を実現されている企業として

「株式会社ガーデングループ(http://gardengroup.co.jp/)」

をあげさせていただければと思います。

ガーデングループは

・カラオケ店(カラオケマック、カラオケサウンドジョイ)

・外食チェーン店の経営(横浜家系ラーメン「壱角家」、すためし「どんどん」、とんこつラーメン「だるまのめ」、油そば「東京名物油そば」、ステーキ&ハンバーグ「鉄板王国」、ハワイアンダイニング)

などを運営しています。

今期の見込売上高は、160億円、経常利益は12億円となっています。

彼らの沿革(http://gardengroup.co.jp/history.html)を見ると

 

・2007年7月:株式会社ユウシン(現:グローバルデザイン)をグループ企業化

・2008年2月:三菱系ファンドのパレスキャピタル株式会社と業務提携し、民事再生の適用を受けた新和光商事株式会社の再生を目的に運営を開始

・2012年4月:マイビス株式会社を完全子会社化

・2012年5月:有限会社新富フーズ(現:ブレイツ)をグループ企業化

・2014年4月:株式会社三光マーケティングフーズより、東京チカラめし68店舗継承の基本合意契約締結(現:イーダイニング)

・2015年3月:株式会社神戸らんぷ亭をグループ企業化

・2016年1月:株式会社アドリブ(ハワイアンダイニング業態)、合同会社ハレルヤをグループ企業化

・2016年7月:株式会社トライアングル(元祖博多中州ラーメン『一竜』)をグループ企業化

・2016年10月:株式会社海王コーポレーション(回転寿司 かいおう)のスポンサーになり31店舗の事業譲渡を受けた株式会社KSGフードマネージメントの全株式を取得

 

とM&Aを積極的に行っていることが分かります。

彼らが得意とするのは、再生型のM&Aです。

業績不振で存続が難しくなった事業を引き取り、再生させます。

このように書くと、乗っ取り屋のように見えてしまうかもしれませんが

実は、彼らが一番大切にされているのは「人の再生」だそうです。

業績不振になった企業の従業員は、多くの場合、自信を失っています。

お客様が少なくなり、自分の店が支持されない状況を目の当たりにし、存在意義を感じづらくなっています。

そのような事業を当社が引き取り、少しずつ改善してお客様に支持されるお店を地道に作ることにより、

従業員が自信を取り戻し、生き生きと働くようになるそうです。

存続が難しくなった事業、従業員を再生しながら、当社自身の企業成長を実現しており、

わずか5年程の間に、売上規模で5倍近い成長を遂げています。

これだけスピード感のある成長はM&Aならではと言えると思います。

 

 

 

~早期に投資回収した企業~

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次に、「M&Aで成功した」と言える条件の1つとして

「早期に投資回収できたか」があると思います。

この軸では、クリエイト・レストランツ・ホールディングスをあげさせていただきたいと思います。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは

 

・磯丸水産、鳥良などの居酒屋を運営するSFPダイニング株式会社

・つけ麺TETSUというラーメンチェーンを運営する株式会社YUNARI

・AWkitchen、やさい家めいなどを運営する株式会社イートウォーク

・和食しゃぶしゃぶのかごの屋を運営する株式会社KRフードサービス

 

など大型のM&Aを多く行う700億程の東証一部上場飲食企業です。

「年間営業利益の10倍以上の譲渡対価で買収」

「代表者が退任せずにそのまま経営を続ける」

など、独自のM&A戦略をとっており、M&A業界でも注目されている企業の1つです。

 

当社の投資回収事例として、最たる事例が磯丸水産のSFPダイニング社のM&Aです。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは

2013年3月にSFPダイニング社の株式74.6%を約65億円で取得しました。

このM&Aは当時商業施設を中心に展開していたクリエイト・レストランツ・ホールディングスが

いわゆる路面の居酒屋業態を手掛けるということで戦略的にも意味があるものでした。

当時、磯丸水産の店舗数は50店舗程でしたが積極的な店舗展開を行い、

2014年12月の時点で80店舗まで増加。

同月SFPダイニング社上場、初値は1620円、保有株時価総額約800億円となりました。

2013年の取得価額は65億ですから、その時点で時価総額のわずか8%の金額となっています。

投資回収というと、一般的にキャッシュフローで見ることが多いですが

それ以外にも回収できるという好例かと思います。

その他専門家コラム

  • 「M&Aでもっとも成功している企業」

    川井隆史

    公認会計士

    当時世界最大級の会計・コンサル企業であったアーサーアンダーセン、米コカ・コーラやGEなどのグローバル企業で事業計画やM&A後のインテグレーション責任者など従事後、その経験を生かし外資系日本法人のCFOや上場ベンチャー企業の役員などを経て創業。現在ハンズオン・CFO・パートナーズ㈱ 代表取締役社長として PMI業務(買収後統合業務)や外資系企業・ベンチャー企業の外部CFO業務、経営改善・税務会計コンサルティングなどを行っている。

  • 「M&Aのスキーム選択と労働契約の関係」

    家永勲

    弁護士

    家永 勲 弁護士法人ALG&Associates パートナー・弁護士 東京弁護士会所属 上場企業が手がけるM&Aにおける法務DDの責任者として対応するほか、会社法を活用した買収目的に適したスキームの策定等も実践し、M&Aに関わる法務問題を幅広く取り扱っている。 企業法務におけるトラブルへの対応とその予防策に関するセミナーのほかストレスチェックやマイナンバーなど最新の法改正に即したセミナーや執筆も多数行っている。