» グリーによる3Minute買収について

テーマグリーによる3ミニッツ買収

2017年2月2日、グリー株式会社は動画メディアや動画マーケティングなどを手がける株式会社3ミニッツの株式を取得し、子会社化することを発表しました。取得価額は43億円。業績連動型のアーンアウト方式を採用しており、3ミニッツの今後3年度の決算数値に応じて追加代金が発生する可能性があるとしています。

今回は何故グリーが3ミニッツを買収するのかについて考察します。

 

「グリーによる3Minute買収について」

2017年5月22日
北川朝恵

弁護士
紀尾井町法律事務所所属。慶應義塾大学卒。2004年10月弁護士登録。2009年度第二東京弁護士会常議員。2014年度日本弁護士連合会代議員。2007年度から現在に至るまで第二東京弁護士会刑事弁護委員会副委員長。企業法務事件にとどまらず、労働事件、一般民事事件、家事事件、刑事事件など幅広い業務を取り扱っています。法人から個人まで様々な依頼者のニーズに応えるきめ細やかなリーガルサービスを心掛けています。

1 グリーが43億円でスリーミニッツを買収

ゲーム業界大手のグリー株式会社は、2017年2月2日、インスタグラムやYou Tube向けのプロダクションや動画メディア、ECなどを展開する株式会社3Minute(スリーミニッツ)(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO 細川潤)の株式を取得し、100%子会社化することを発表しました。買収額は43億円とのことです。

 

 

 

 

2 スリーミニッツ買収のわけ

スリーミニッツ社は、主に20代、30代の女性をターゲットにしたファッション動画メディアの「MINE BY 3M」の運営を行っており、累計利用者数は200万人を超えています。

「MINE BY 3M」以外にも、インスタグラムやYou Tubeを通じた動画マーケティングやインフルエンサーネットマーケティングなどを手掛け、そのインフルエンサーネットワークは、国内最大級ともいわれています。月間延リーチ数7500万、月間再生回数1億回を超えるマーケティング力を持っているといわれています。

近年、動画広告市場の成長は著しく、株式会社サイバーエージェントが行った国内動画広告の市場調査では、2020年の動画広告市場は2309億円にまで拡大するとみられています。

ゲーム事業全体でみると、グリーは縮小傾向にあり、新たな成長分野を求め、近年は住まいやヘルスケア、広告、動画などの領域に参入していました。

今回のスリーミニッツ買収は、このような新たな事業戦略の一環であり、動画広告市場における更なる成長を実現するため、インフルエンサーと連動したスリーミニッツ動画プロデュース力を利用し、動画制作やマーケティングのノウハウを強化するものといえます。

 

 

3 スリーミニッツのメリット

一方、買収された側のスリーミニッツは、2014年に設立されたばかりの新しい会社で、2016年8月期の売上高は4億4000万円、営業損益は4億7300万円の赤字、純損益は5億1000万円の赤字でした。

今回の43億円の資金調達と子会社化により、スリーミニッツは、グリーの持つ人的資源、経営資源、安定した経済基盤を獲得することになり、今後のさらなる成長が期待されます。

その他専門家コラム

  • 「グリーのスリーミニッツ買収~その買収価格とアーンアウト~」

    中島成

    弁護士

    昭和34年8月生 東京大学法学部卒 裁判官を経て昭和63年4月弁護士。中島成総合 法律事務所を主宰。日本商工会議所・東京商工会議所「会社法制の見直しに関する検 討準備会」委員、東京商工会議所「経済法規・CSR委員会」委員等を務める。平成 16年度まで中小企業診断士試験委員(経営法務)。全国地方銀行協会研修所などで の講演多数。『図解 会社法のしくみ』(日本実業出版社)『民事再生法の解説~企 業再生手続~』(ネットスクール)など著書多数。

  • 「グリーの買収による新規事業戦略」

    漆山伸一

    公認会計士

    公認会計士、税理士、証券アナリスト。監査法人トーマツ、デロイトトーマツコン サルティング合同会社を経て独立、漆山パートナーズ会計事務所(現税理士法人 漆 山パートナーズ)を設立。現在、株式会社アットタックの代表も務め、会計税務業 務、企業再生、事業承継、M&A、海外資産運用サポートなどのコンサルティング業務 にも多く携わる。その他、上場企業の取締役も歴任している。