» 株式上場するために必要なこと

2016年11月18日

経営者であれば、一度は、夢みたことがある方も多いと思う、株式上場について記載したいと思います。私は今のM&Aの仕事をする前は、証券会社の公開引受部(上場に向けてコンサルティングする部門)で数年間働いておりました。

その期間でいくつかの上場企業を主幹事証券会社として世に送り出してきましたが、やはり、株式上場というのは、狭き門というのも事実であります。

私が行ってきたときは、証券会社で契約して株式上場に向けての契約をして、上場まで至った企業は10社に1社程度だっと記憶してます。

 

では、株式上場するために、何をしなければいけないの?

そもそも株式上場するための審査ってよくきくけど、実際何をするの?

 

株式上場するための審査は、2段階に分かれます。まず第一段階は、主幹事証券会社の審査部による審査。

第二段階は、金融商品取引所の審査です。では、審査は誰でも受けられるのかというとそうでもないのです。

まず、主幹事証券会社を決めたら、その証券会社と契約を締結します。そしてその証券会社にて1年半以上の

コンサルティングやその企業の内部管理体制の構築や運用のチェックを受けることとなります。そして、審査部の審査

が通るであろうという基準まで運用状況を持っていくことができて、初めて審査部の審査へ回されることとなります。

 

では、審査部の審査では何が重要となるののか?

ここは、主に2つです。

1.成長性・収益性

2.内部管理体制

 

まず1.の成長性・収益性ですが、上場するからには、当然に企業の成長性を求められることとなります。特に、ほとんどの企業が最初に目指すことになる新興市場では(例えば東京証券取引所マザーズなど)は、高い成長性を求められることとなります。

その成長性について審査があります。これは、過去どのように成長してきたかということと、中期経営計画上どのように成長していくか、また、その予算と実績のかい離はないか。などを厳しくチェックします。

続いて2.の内部管理体制についてですが、実際何をさすのかというと、不正を働くことができない体制になっているかどうか

ということです。具体的にいうと、会社のルールブックである規程がしっかりとて制定されて、その通り運用されているか。

また、内部監査によってその規程の運用が守られているかチェックする体制が構築されているか。

管理部門は、資金の出し入れをする出納担当者と記帳する担当者を分けているか。またそのチェック体制は、働いているか。

株主に代わり、取締役を監査するという役割でもある監査役の監査は、機能しているか。などと様々な体制をチェックすることとなります。

 

では、なぜそこまで厳しい審査をするのでしょうか。それは、上場するということは、今まで個人商店でやってきたことから公の企業になり他社から資本を入れていただき、その資本によって経営を行うという体制に代わるからです。

 

では、実際に株式上場に至るまでのコストはどのくらいかかるものでしょうか。

よく言われるのは、内部管理体制の構築のみで5000万円から1億円程度かかります。

具体的にいくと、

例えば、経理の人員を1名程度で行っていたとすると、少なくても 出納・記帳・それを管理する人間として

3名必要となります。

また、内部監査についても、専任を置くことが望ましいので、その人件費もかかります。また、監査役についても

常勤の監査役1名と非常勤の監査役2名が必要となります。

また、監査法人の監査を受けなくてならないのでその費用もかかります。そのほか、株式を流通するために

証券代行会社との契約なども必要となります。当然証券会社への費用もかかります。このようにしていくとどうしても費用

がかかってきてしまいます。例えば、現在1億円程度の営業利益を上げているとしても、これらの費用で、利益がほとんど

なくなるという可能性もあります。ですので、上場を目指す際は、収益性が本当に上場水準にあるのかということを見極める

ことが必要です。実際に上場を目指したが、上場に対するコストが重く途中で諦める企業も多くあります。

 

また、株式上場はゴールではありません。そこからがスタートとなります。一度上場してしまうとなかなか非上場に戻る

ことはできません。また、上場すると、今まで好き勝手できてきたことが出来なくなったり制約があるのも事実であります。

 

それらを踏まえて、本当に上場すべきかどうかということを見極める必要があると思います。

 

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