» 事業承継って何をするの?

2016年11月21日

第7回目となりましたビジライフは「事業承継って何をするの?」

というテーマで執筆をさせて頂きます。

 

一口に「経営者」と言っても、色々な「経営者」がおられます。

例えば中小企業の経営者、上場企業の経営者、

病院の経営者、士業の経営者…

経営者と言っても経営されている法人の形態により、

多くのセグメントに分けることができます。

そしてそれぞれの経営者が自身の事業を次の世代へ引き継いでいく時には、

M&Aだけではなく、その経営者、親族、自社の経営陣、従業員、

そして自社の状況によって、さまざまな事業承継の方法があります。

 

その中で今回は「中小企業経営者」の事業承継に関する課題と、

その解決方法について説明をさせて頂きます。

 

中小企業経営者の資産特徴

中小企業経営者は、日本の場合、銀行からの借入を行う際に

自らの土地・建物を担保にし、連帯保証を入れ、資金の借入を

行うことが一般的です。

これはあくまで一例ですが、中小企業経営者の場合、

経営者の資産と会社の事業用資産の

線引きがあいまいであるケースが多く見られます。

また、経営者は事業を成長させ「企業価値を向上させる」ことを

常に一番の目標とし、経営を行います。

 

 

事業承継の方法

しかし一方で、「企業価値を向上させる」ことで自社の株式の

評価額が大きくなってしまい、事業承継を考えた際に、後継者への

承継を難しくします。

ですので、企業価値の向上を目指す一方で、今後、事業を後の

世代へ引き継いでいくことを考え「事業の承継」に関して、

考えていかなければなりません。

 

「事業の承継」に関しては、大きく分けて息子様など血縁関係のある方に、

自社の株式を購入もらう、もしくは譲渡し、事業を引き継いでもらう「同族内承継」や、

血縁関係の無い取締役や番頭などに引き継いでもらう「同族外承継」の2種類があります。

 

 

同族内承継と暦年贈与

自身のご子息やご息女など、血縁関係のある方に自身の事業を

引き継いでもらうことを「親族内承継」といいます。

この場合に株式を譲渡していく場合取られる方法として一般的に

用いられるのは、「暦年贈与」という方法になります。

(暦年贈与の説明はこちら

 

財産を贈与していく際に、この「基礎控除110万円」を活用するのが「暦年贈与」です。

継続してこの暦年贈与の制度を利用し、コツコツと株式を後継者に移転させることで、

相続時の一時的に高額になる納税を回避するといった戦略をとることが可能です。

「暦年贈与」の詳細な説明は税理士の先生にお任せをしますが、より厳密に

暦年贈与の制度を使う場合には「いつ」、「誰が誰に」、「何をいくら」譲渡したのか

という「契約書」を作り、現職の社長様と後継者様の間で実印を押し、それぞれの住所の記載と、

お名前を署名をし、社長と後継者様の両者の署名ができた日付を記載し、

そのうえで公証人役場へ出向き「確定日付」を押してもらうのが望ましいです。

(確定日付は1通につき700円ほどで押してもらえます。詳細はお近くの公証人役場まで

お問合せ下さい。)

 

 

同族外承継は

同族の後継者候補がいない場合には「同族外承継」を検討します。

同族外の、例えば取締役や番頭に株式を買い取ってもらう、もしくは「暦年贈与」で

年単位で少しずつ自社の株式を譲渡していく方法があります。

しかし、評価の大きくなった、つまり、価格の高くなった自社株を番頭や取締役が、

買い取る資金力を持たなかった場合が大半です。

 

そのケースでは、主に以下の方法を選択することとなります。

  1.  他社の方に株式を買い取ってもらい、新しい自社の経営者になってもらう
  2. 番頭、取締役1人だけではなく、複数の番頭、取締役、従業員に株式を買い取ってもらう

 

1.はいわゆる「M&A」です。

自社の株式を買い取ってもらえて、かつ、今後も経営をしていく方を

探すことになります。

2.はいわゆる「MBO」とか、「MEBO」というものになります。

MBOとは、「マネジメント・バイアウト」と呼ばれる手法で、会社の経営陣が

自ら会社の株式を購入する手法のことです。

MEBOとは「マネジメント・アンド・エンプロイー・バイアウト」と呼ばれる手法で、

経営陣だけではなく、経営陣と従業員に、自社の株式を購入する手法になります。

(余談ですが、インクグロウはMEBOを用いて母体となった企業から2011年に独立をしました。)

 

 

 

終わりに

弊社インクグロウのコンサルタントはM&Aのプロであると同時に、

「事業承継」のプロでもあります。

弊社では、「M&Aは経営を行うための一つの『ツール』でしかない」という立場をとっています。

ですので、もし仮にM&Aの相談をされていく中で、M&Aを使う必要が無くなった場合には、

M&Aを進めず、違う手法を提案させて頂くこともございます。

さらに、インクグロウの立ち上げの際に、MEBOを実際に経験している者も、

コンサルタントとして所属しておりますので、その時の詳しい内容もぜひ

聞いて頂けると幸いでございます。

もし、M&Aだけではなく、事業承継に関するご不明点、ご質問がありましたら、

弊社インクグロウまでご一報をお願い致します。

きっと、何かお客様のお力になれることがあるかもしれません。

 

今後とも何卒宜しくお願い致します。

参考文献:プライベートバンキング上巻(公益社団法人日本証券アナリスト協会 編)

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