» 高級ブランドを傘下にもつLVMHグループの経営戦略とは

2016年11月25日

世界的に歴史のある企業はどのように事業の承継や成長発展をしているでしょうか。

特にブランドネームが強い企業は

「1世紀近い歴史がある」

「創業時から職人がいる」

などを特徴としており、そこに込めた想いが

我々消費者に対する付加価値になっています。

 

日本でも人気の高級時計ブランド

  • タグ・ホイヤー
  • ゼニス
  • ウブロ

などを展開する

「LVMHグループ」

モエヘネシー・ルイヴィトングループ

 

最近では、フランスの高級馬具皮革製品を製造する「エルメス」の買収騒動で話題になりました。

一時期はLVMHグループに2割超まで株式を買い増されましたが、

エルメス側の提訴で、8.5%の出資維持で和解しました。

 

実はLVMHグループは

歴史あるブランドを買収することで、成長してきた企業と言えます。

直近の売上4兆2,587億円、営業利益7,944億円と業界トップシェアを独走しています。

 

LVMHグループは60以上のブランドを傘下に収めるグループで、

大きく5つの事業で展開しています。

 

①ワイン&スピリッツ

⇒モエ・エ・シャンドンやドンペリニヨンなどの高級シャンパンを展開

 

②ファッション

⇒ルイ・ヴィトン、ロエベ、ベルルッティなどの老舗ブランドを展開

 

③パフューム&コスメティック

⇒ゲラン、パルファムクリスチャン・ディオールを展開

 

④ウォッチ&ジュエリー

⇒タグ・ホイヤーなどの高級時計、ブルガリなどの宝飾品を展開

 

⑤セレクティブ・リテーリング

⇒免税店のDFSなどを展開

 

 

それぞれのブランドのイメージや独立性を重視しており、

故に、消費者からはブラント名は知っているが、これらが同一グループであることは意外と知られていないというのが現状です。

 

LVMHグループは創業時、フランスの建設・不動産会社でした。

創業家であり、LVMHグループの会長であるベルナール・アルノー氏と

LVMHグループ傘下であるブルガリのCEOであるマイケル・バーク氏の出会いが、

現在のグループの土台をつくったといえます。

 

1979年に二人が行ったビジネスは、米国での不動産事業で主に手掛けたのは、富裕層向けの別荘などの建築と分譲を行っていました。

しかし、1984年にアルノー氏が突然、フランスの老舗ブランド、クリスチャン・ディオールを所有する繊維会社ブサックを買収しました。

 

当時、クリスチャン・ディオールのほか、新聞社、銀行なども所有していたブサックは、すでに資金難に陥っていました。そこに目をつけたのがアルノー氏でした。

 

これを機にアルノー氏率いるLVMHグループの買収は一機に加速していきます。

 

1983年ケンゾー、ベルルッティを買収

1994年ゲラン買収

1996年セリーヌ、ロエベ買収

1999年タグ・ホイヤー、ゼニスなどを買収

2000年エミリオ・プッチ買収

2001年ダナ・キャラン、フェンディ買収

2011年ブルガリ買収

 

「不動産からブランドビジネスへの転換」

一見、共通点がないようにも見えますが、

実はどちらも富裕層を対象としていることです。

 

別荘、ファッション、時計、宝飾、香水、お酒

すべて対象の顧客は富裕層としたことでLVMHグループは形成されました。

 

多くの高級ブランドを抱える一番の利点は、

実は「ブランドの再生」です。

 

 

仮にあるブランドの業績が赤字でも、ほかのブランドの利益を投じながら、

時間をかけて再生することができます。

さらにグループ内でのブランド経営のノウハウが蓄積され、人材の育成も自然に

行うことができます。このような仕組みで、グループの規模が大きくなればなるほど、

強力なパワーを発揮することができると言えます。

 

LVMHグループでは個々の歴史あるブランドを尊重しており、

グループでの販促は行わないと言われています。

 

それは歴史あるブランドに対しての敬意であると同時に、

時代の変化で廃業する前にブランドの再生を行うことで、息を吹き返すことになります。

 

 

 

 

 

 

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