ビジライフ

2017.1.13

役員報酬コラム第2回~株式譲渡対価~

経営者なら誰でも気になる役員報酬のコラム第2回です。前回のコラムでは「役員報酬にはそもそもどんなものがあるか」を紹介させていただきました。第2回からはいよいよそれぞれについて、「基本としてどう考えるべきなのか」、「具体的にどうすべきなのか?」ということを紹介してまいりたいと思います。

~株式譲渡対価とは~

株式譲渡対価とは、大まかに言えば「引退時に会社を売って得る売却金額」のことです。そもそもですが、経営者の出口は以下の4つしかないと言われています

・株式上場
・親族承継、社内紹介
・外部承継(M&A)
・廃業

株式上場は皆様ご存知の通りですね。「育てた会社を上場させる」というのは経営者として一つの夢かと思います。但し、一方で実現できるのはごくごく一握りでもあります。次に親族承継、社内承継です。後継者がいらっしゃる方はまずこちらを考えるのではないでしょうか。生前に株式を贈与する、あるいは一定金額で売却するなどの上場で後継者に株主としての権利を譲ることを行います。次がM&Aです。経営者の後継者不在が社会的な課題となっている中、近年中小企業でもM&Aを選択される経営者が増えています。最後が廃業です。4つの出口の中では最もメリットの少ない選択肢と言われています。というのは親族承継、社内承継、M&Aであれば事業自体を引き継ぐことになるので、例えば稼働している設備などは価値を生み出すものとして評価できます。しかし廃業となると、使わない設備は粗大ごみでしかありません。例えば工場があるとしたら廃業時に更地に戻す費用がかかるなど、事業停止に伴う処理をすることになります。継続すれば価値あるものを費用を払って止める訳ですから、勿体ない選択肢にはなります。

その上で、株式上場、親族承継、社内紹介、外部承継(M&A)の場合には、オーナーは引退のタイミングで株式譲渡対価を得られることになります。どれも特徴が違うものなので、今回はM&Aで得られる役員報酬について特に説明をしたいと思います。

~最近のM&A、M&Aで得られる対価~

先にも申しました通り、近年では中小企業のM&Aが徐々に当たり前になってきています。実際に筆者が仲介した案件でも飲食店1店舗の譲渡案件などもありました。経営者の高齢化、後継者不在が社会問題になっている中で、今後もどんどんと件数が増えていくものと想定されます。

では、実際に経営者が得られる譲渡対価はどのようなものでしょうか。業種業界、企業規模、企業が持つ特性などによっても大幅に変わることなので、今回はいわゆる一般的な考えだけ申し上げます。まずは譲渡対価の算定方法から説明します。算定方法にも色々ありますが、中小企業のM&Aでは「時価純資産法」という方式がとられています。端的に言えば、会社が保有する資産と負債を時価評価して、資産から負債をした差額が会社の価値ということです。実際のケースで言えば現金預金、土地、建物、保証金などの資産を時価に直した金額から、買掛金、銀行借入などの金額をひいた金額ということになります。こちらの金額をベースとしながら、営業権(事業が生み出すキャッシュフローの数年分)を足し合わせた金額が実際のM&Aの取引額になっています。これは買い手側の視点で考えると分かりやすいですが、時価純資産と5年分のキャッシュフローを足した金額で買収すれば、同じ業績のまま推移すれば5年後に投資回収ができるという考え方になります。

~譲渡対価を高める方法~

実際のM&Aの現場では、例えば飲食業であれば「時価純資産+事業が生み出すキャッシュフローの3~5年分」などが取引額の目安になっています。では、どうすれば引退時に多くのキャッシュを手に入れられるのでしょうか。実際現場で受ける肌感覚では、

・事業規模が大きい
・収益性が高い
・時流にのっている
・安定した収益が見込める
・差別化要素が強い(特別な技術を持っている等)

案件などは比較的評価が高くなりやすい傾向にあります。とは言ってもM&Aの評価はあくまで、時価純資産とキャッシュフローがベースになります。日頃から事業をスリムに収益性を高めていくことが結局は1番の近道になります。たまに「自分の会社を市場の評価に出したら一体いくらで評価されるんだろう」ということをチェックするのも自社の価値を知る方法になるかもしれませんね。