M&A活用方法

課題 3

社内の経営資源を有効活用するため事業整理したい

Case2

エリアを限定した事業に集中できるようM&Aを活用

戦略的に注力するエリアに資源を集中させるため、他エリアを譲渡する

事業内容が定まっていても、展開エリアが広範囲にわたる場合、どうしても好不調のエリアが出てきます。
また、地理的条件や競合企業の有無も関わってくるでしょう。

こんな例があります。
楽天株式会社が国内依存から脱却するために、米ECサイト集客支援サービス「イーベイツ」や、米電子図書館事業「オーバードライブ」など、海外企業の買収を加速させてきました。
この中には収益に貢献している事業もありますが、仏ECサイト運営「プライス・ミニスター」とカナダの電子書籍企業「コボ」は特に大きく減益しており、楽天全体の売上高は2015年で7,135億円と前期比で19.2%増でありながらも、営業利益は946億円で前期比11%減の増収減益になってしまいました。

そのため楽天は、買収や合弁会社設立などで拡大させてきた今までの戦略を、今後は見直すことにしました。
その一環として、英国とスペインの事業からの撤退。オーストリアはドイツとサービス提供機能を統合させるために拠点を閉鎖。
また、インドネシアとマレーシア、シンガポールではECモールの閉鎖、タイではECモール事業会社を売却するなどの動きを見せています。
これにより今後の収益を改善していくとともに、好調なエリアの事業を更にテコ入れしていくことが予想されています。

楽天のビジネスモデルは国内市場だけではいずれ成長が頭打ちになるであろうことを予測し、海外に事業を拡げていったために起こった事例ですが、国内企業であっても同様の戦略は有効です。
他府県にまで拡げた事業の中で、好調なエリアの事業だけに集中して経営資源を投下するために他エリアの事業を売却することは、収益率の改善だけでなく、好調な事業を更に高めることができ、企業の成長にもつながっていきます。
またエリアを集中させることは、物品販売であれば、流通コストを効率化できるようになります。
これ以外にも対象エリアでブランド力を効率的に向上させることもできます。

事業展開エリアを大きく拡げたが、全てのエリアで好調とは言い難い場合、不調なエリアの事業をM&Aにより売却すれば経営資源に転化することができます。そして経営資源を好調エリアに集中させることは企業の成長に有効な手法であると言えます。

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