» Case2 業界再編による競争力低下をM&Aで解決

「業界再編の時は、資本力と競争力の高い企業の傘下に入る機会」

業界再編によって、今までの市場占有率が明らかに変わり、競争力が高まる企業は多数あります。

近年の例では、高齢化社会の到来により医療費が高まってしまった製薬業界です。
患者数は増え続ける一方で、医療費の源泉である健康保険料支払額は減少しており、国の医療制度そのものが崩壊の危機にあります。
国は医療制度改革で保険点数を下げることに躍起になり、医薬品の点数を下げるとともに、点数の低いジェネリック医薬品を積極的に活用することを推進しています。

これによって2005年以降、製薬業界は大きな再編を繰り返しています。
2005年には山之内製薬と藤沢薬品工業がアステラス製薬に、三共と第一製薬が第一三共になどを皮切りに、現在では主要製薬メーカーの半分が合併組になっています。
新薬を開発するのに独力だけではコストや時間がかかること、合併で新たな市場を広げていきたい思惑が交錯した結果でしょう。

一方、これら再編に加わらなかったメーカーは、他社が真似できない独自分野の医薬品を持っているなどの強みがあるものの、今後ますます厳しくなってくることが考えられます。
それは、圧倒的な市場占有率の違いと資本力に起因する部分が多くあります。
合併により資本力や開発力が高まった企業は、更なる成長のために新薬を開発できるだけでなく、ジェネリック医薬品分野にも進出していくことができます。
しかし再編に加わることができない企業の資本力は変わりません。
他社が真似できない何らかの優位性を持っている場合以外、再編によって今後ますます苦境に立つことは明らかです。

しかしながら業界再編は、自社を大きく発展させるための機会とも言えます。
自社が元々持っていた製品などを、今まで販売できなかった分野や顧客に販売することができる機会にもなるのです。
また大手の資本力を導入して、自社の得意とする分野の新商品を開発することもできるようになります。

製薬業界の再編は国の方針によって生まれてきたものですが、業界再編がある場合、それぞれの各企業は、共に戦える強みを持った企業を探しているはずです。それは探している企業にとっても伸びしろとして捉えることができるからに他なりません。
すなわち、業界再編が行われている時こそ、更なる発展の機会でもあることを覚えておいてください。