» Case3 業界状況による先行き不安をM&Aで解決

「業界全体が厳しく、光が見えない時は、勝ち組につくのが賢明」

自社の業績悪化の原因が自社そのものではなく、その業容にある場合で、しかも今後も明るい材料がない場合、経営者が取るべき方策は多くありません。

例えば出版業界の場合、出版販売金額はピークを1996年に迎えましたが、2013年ではピーク時の約63%にしか達していません。
特に雑誌の売り上げが激減しており、週刊誌に至っては半分以下にまで落ち込んでいます。
そこで出版各社は電子書籍を新たな収益源にするべく健闘していますが、まだまだ市場を回復できるには至っていません。

このように出版業界を取り巻く環境は厳しいですが、そんな中でもKADOKAWAやカルチャーコンビニエンスクラブなどは積極的な動きをしています。
例えばKADOKAWA は2009年にビジネス書や実用書などを出版している中経出版、2012年には雑誌やゲーム事業などを展開するメディアファクトリー、2013年には連結 子会社9社を吸収合併し、さらに汐文社や中堅ゲーム会社のフロム・ソフトウェアを買収など、次々とM&Aを実行しています。
カルチャーコンビニエンスクラブも同様に色々な出版社などを買収しています。

これらから分かる通り、業界そのものに明るい材料が無くとも、本業を生かしながら新たな分野に進出していく大手企業も存在しています。
そして、それらの大手企業が買収や吸収合併したいと考えている企業は、自分たちが持ち合わせていない特性や個性があること、そしてシナジー効果が期待できる企業です。
業界全体が厳しい時、大手企業は必ず生き残っていく方法を見つけ出していきます。そして、そのために積極的にM&Aを展開していきます。

今まで心血を注ぎ、個性的で他には真似できない商品を生みだしてきた企業のオーナーにとって、会社を売却することは無念かもしれません。
しかしながら事業を続けることで倒産してしまったり、廃業してしまうと、多額の負債を抱えるばかりか、社員を守ることもできません。苦労して育ててきた商品は世の中から消滅してしまいます。

業界全体が厳しく、先行きが見えないのなら、少しでも早い時期に売却することで、社員の雇用を守ることができ、育ててきた商品も世の中に存続していくことができます。
そして経営者自身も売却益を手にすることができるのです。
業界そのものが厳しい時ほど素早い判断が求められるのです。