» Case3 シナジーが見込める企業買収をM&Aで実現

「隣接業種に進出する場合、シナジー効果の見込める企業を買収するのが効率的」

企業が自社の事業領域を拡大する際、まず最初に考えるのは自社事業と隣接した業種への事業進出でしょう。
比較的なじみがあり、ある程度の情報や知識もあるため、取り組みやすさはありますが、実際に事業展開するとなると、難問が山積みです。
ノウハウはもちろん、人材や情報以外にも、販売ルートが本来の事業と異なる場合にはその確保も必要です。
隣接業種だからこそシナジー効果は十分に期待できるものの、やはり難しさがあることは否めません。

ある大手印刷業会社の例を紹介します。
この印刷会社ではあらゆる印刷物を扱っており、印刷業界では有名な会社です。
ただし、あらゆる印刷物を扱っているといっても、一般的に普通の印刷会社では扱えないものがあります。
特殊なシール印刷などはその一例であり、この印刷会社でも扱っていませんでした。
印刷事業を総合的にカバーできる会社にしたいと考えても、特殊な技術が必要なシール印刷ができないのでは、カバーしているとは言えません。
この分野に進出しようと考えますが、技術やノウハウがなく、とても事業として成立させることは不可能です。

そんな時に、ある特殊なシール印刷を専門にしている会社の経営者が高齢で、事業を承継してくれる企業を探していることを知りました。
小規模な会社だったため、決して知名度は高くありませんでしたが、高い評価と実績を備えている会社です。
そこでこの会社を承継することにしましたが、その際に強く要望したのが、経営者の継続的な協力でした。
この経営者は特殊シール印刷についてのノウハウや高い技術を持っており、大手印刷会社の従業員を指導してほしい旨を伝え、快諾してもらいました。

現在、大手印刷会社は特殊シール印刷の受注も始め、業界内でのポジションも確固たるものになりました。
また特殊シール印刷部門も大手印刷会社のブランド力によって、業績は以前よりはるかにアップしています。
紹介した例は、同じ印刷業同士であっても、一般的には別事業ととらえられていたものですが、同じように隣接業種を事業にしていく場合には、非常に参考になるケースでしょう。

特に隣接業種に進出していく場合、シナジー効果が期待できる企業をM&Aによって取り込むことは、事業展開をスピーディーにするだけでなく、企業そのものを大きく成長させることにつながっていくはずです。