» Case4 新規事業、親族への事業配分のため企業買収をM&Aで実現

「二代目が新規事業を興す場合や、次男、三男のために創業する場合にはM&Aが効率的」

創業者が興した事業を軌道に乗せ、その後、子供である二代目に事業を譲った時、二代目社長が新しい事業を積極的に展開するケースが多く見られます。
創業者の事業戦略に対する疑問や会社拡大への意欲、興味があるものの違い、そして時代の変化によって今後期待できる事業かどうかという要素などもあるでしょう。
いずれの場合も、二代目社長としての意欲の表れです。
しかしながら、創業者が今までやってこなかった新たな業態の事業を創業するには、相当な経営資源を投下しなくてはなりません。時間も費用も人材もかかります。
これらを実現するために、効率的な方法はないのでしょうか。

地方の創業30年になる建設会社の例を紹介します。
創業者には子供が一人おり、その子供に会社を継いでもらうつもりで学生の頃から仕事を教え、学校卒業後は自社に入社させました。
入社後は社長業の手伝いをしてもらって、創業者が引退後に会社を引継いでもらいました。
社長業を引継いだ二代目は学生時代から車の運転が大好きで、できれば自動車を使った新たな事業を興したいと考えていました。
しかし父親から引き継いだ建設業とは全く違う業態でもあり、経営資源を投下して一から事業を立ち上げるにしても、膨大な時間や費用、人材の手配などのリスクが大きいと断念していました。
そんな時に、ある地元のタクシー会社が経営者の引退により譲渡先を探していることを耳にします。
そこで、このタクシー会社を承継することにしました。
従業員もそのまま引き継いだので、タクシー事業は何の障害も無く続けられます。

現在では、建設会社が順調に業績を伸ばす一方で、タクシー事業でも時流に沿った介護タクシーも始め、地元の人々から重宝がられています。
また今後は運送業にも事業を拡大していくことを考えています。

紹介した例では、創業者の一人息子が新規事業を展開するためにM&Aを活用した例ですが、創業者に子供が何人かいた場合、長男には会社を継がせ、次男や三男のために新規事業としてM&Aを活用して既存企業を買収する方法もあります。

この方法の一番のメリットは、承継した企業のノウハウや情報、取引先、顧客などをそのまま引き継ぐことができることです。
経営資源を膨大に投下して自社で事業を興していく必要がないので、リスクも少ないと言えます。
二代目社長の新規事業や次男、三男のために新たな事業を創業する場合には、是非活用したい方法です。