» Case6 新規事業を海外で実現するためM&Aを活用

「海外の法律や販売ルート、人材など、既に課題が解決された企業を買収するのが効率的」

市場を日本国内だけに限定していた場合、国内での需要が頭打ちになったり、今後競争が激化することが予想されるなど、厳しい状態になることがあるかもしれません。
そんな場合に、海外での新規事業に可能性があるなら、どんな経営者でも海外進出を考えるでしょう。

ですが、海外での新規事業展開には様々なハードルがあります。
まず事業そのものに許可が必要な場合が多く、申請しても取得までに相当時間がかかります。
また、現地での流通や販売経路も確保しなくてはならないばかりか、現地の人材が必要になります。
これらをひとつづつ自社で解決していこうとすると、相当な時間と労力、費用、人材などの経営資源を投下しなくてはいけませんが、M&Aを活用することで、これらが効率的に進められるようになります。

ある家電大手メーカーの例で説明します。
この家電大手メーカーは日本では有数の歴史あるメーカーですが、家電品、特に白物家電と呼ばれる製品群が、日本国内市場の縮小で苦戦していました。
そこで、今後大きな伸びが期待でき、市場規模も大きいインドに進出したいと考えますが、現在の日本向けの製品群をそのまま持ち込んでも現地のニーズに適さず、販売が見込めないことから、現地でインド向けの製品を生産することにしました。
ですが、インドで新規事業を運営するには許可が必要であり、流通や販売経路も分かりません。
もちろん、現地で人材を確保する術もありません。

そこでこのメーカーはインドの家電メーカーを買収し、インド現地のニーズにマッチした製品群を開発・製造して、その家電メーカーの流通経路に乗せて販売することにしました。
現在では順調にシェアを伸ばしているようです。
ここまで来るのには、日本とインドとの文化の違い、そして習慣の違いなどもあったようですが、それらを否定することなく、尊重することで融合できたのでしょう。

このように新規事業を海外で展開したい場合、自社で全ての課題を解決していくにはハードルが高すぎます。
現地で必要な認可を取っており、流通ルートや人材も確保されている企業をM&Aで買収すれば、高すぎるハードルも容易に飛び越えることができるのです。

海外での新規事業進出を考える際には、まずM&Aを活用することを念頭に置くべきでしょう。