» Case4 川上、川下展開を加速、成功へ導くM&A

「川上・川下への進出でヒット商品創出の可能性は高まるが、ノウハウを持つ企業取得が鍵」

企業が自社の事業の川上・川下産業に進出したいと考えるのは、企業そのものが拡大していく過程においては当然のことかもしれません。
本来事業で関わっている商品や素材、サービスなどの良いところや悪いところ、ニーズも理解しています。
そのため、もっと品質の良いものや、安いもの、ニーズにあったものを提供できるはずだと考えるからです。

しかしながら仮にこれらが把握できていたとしても、実際にそれを事業として展開するには色々なノウハウや情報、人材、顧客などが必要になります。
また、事業を立ち上げたとしても、採算が取れるようになるまでには長い時間を要します。
ではもっと短時間で川上・川下産業に拡大していくことができる方法はないのでしょうか。

ある中華料理チェーン店の例で説明しましょう。
このチェーン店は、ある都市部でチェーン展開しており、その地域での知名度も高く、業績も伸びていました。
名物はラーメンで、ほとんどの来店客はこの店のラーメン目当てに来ています。
このラーメンの麺は外部の製麺会社に発注していましたが、その出来具合や価格には正直なところ満足しておらず、改良すべきだと思う点が数か所ありました。
そんな時、その製麺会社の経営者が高齢になり事業承継を望んでいたため、買収を決意し、社員も含めて引き継ぐことにしました。

現在では、中華料理チェーン店の要望を反映させた麺を作っており、店での評判も今まで以上に上がりました。
また、店舗エリアから離れたラーメン店からも麺の発注を受けるなど、製麺事業は大きく顧客を増やしたそうです。

このように、消費者と直接接する事業者は、客の反応を常に知ることができる立場です。
すなわちニーズや必要な改良点を知っており、川上産業に事業拡大していくことでシナジー効果にもつなぐことができるのです。
これは川下産業に拡大していく場合でも同様です。
より消費者に近い立場に立つことができるので、ニーズや必要な改良点を素早く、正確に把握でき、ヒット商品を生み出せる可能性が高くなります。

ですが、何もない状態から事業を立ち上げるのでは、あまりにもノウハウや情報、人材などがないため、事業を軌道に乗せ、ニーズに応え、さらに必要な改良を施せるようになるまでには相当な時間がかかります。
そんな場合にはM&Aを活用すべきである理由がお分かりいただけると思います。