経営資源の効率投下が可能
不採算事業の排除による成長戦略
全事業のうち、一部の事業が不採算になってしまうと会社全体の利益は下がり、成長や財務基盤強化の足かせになってしまいます。
事業を継続する以上は人材や資金などの経営資源投下は必須ですが、経営資源には限りがあります。有効活用しながら最大限の成果を収めなくては、企業としての成長はあり得ません。
不採算事業が好転する見込みがない場合には、M&Aを活用し、その事業を売却する選択肢があります。
それによって、不採算事業に投下していた経営資源を他の事業に活用できるようになり、売り上げの拡大、利益率改善にもつないでいくことができるようになります。
なお、不採算事業を排除するためには撤退もしくはM&Aによる売却の手法がありますが、撤退は今まで投下してきた資金の回収には全くつながりません。そればかりか、処分するために費用発生するものもあります。
一方、売却の場合は、ノウハウや技術、人材なども含めて買収企業が活用できる場合もあるため、売却益による投下資本の回収の可能性も高くなります。
ノンコア事業の売却によるコア事業の強化
展開している事業の中にはコア事業もあれば、ノンコア事業も存在しているはずです。
ノンコア事業を成長させるためには時間や資金、人材などの経営資源が膨大に必要になるばかりか、成長の可能性も高くありません。
一方、現在自社の強みや収益源となっているコア事業を成長させることは、業界内でのポジションを高め、シェアの拡大、ブランド力強化、売り上げの拡大にもつながりやすいと言えます。
そのため企業全体として考えた場合には、ノンコア事業をM&Aで売却し、ノンコア事業に投下していた経営資源をコア事業に集中する方が効率的です。またノンコア事業の売却益をコア事業に活用することもできるため、コア事業の成長スピードの加速も期待できます。
新規事業への投入
今後の市場予想から、新たな事業を展開するべきであるとの方針を打ち出したとしても、そのための経営資源がなくては、立ち上げることすらできません。
そんな時に経営資源を生みだす手法として、M&Aが活用できます。
現在展開している事業の中で、コア事業ではないものをM&Aで売却すれば資金を生みだすことができ、それを経営資源として新規事業に投下すれば、円滑に運営できるはずです。
また、利益が上がっている事業ほど高く売却することができるため、その分経営資源も多くなり、新規事業の展開速度も上がります。
展開エリアの集中化
現在は広いエリアで事業展開しているが、ある特定のエリアでより密に事業展開したいと考えた場合、そのエリアで経営資源を集中的に投下しなくては目的の達成には至りません。
しかしながら経営資源には限りがあるため、現在の事業エリアのままでは経営資源が足らないため、集中させることはできません。
そんな場合、集中したいエリア以外の事業をM&Aにより売却することで、経営資源を大きくできるだけでなく、特定エリアへの集中投下が可能になります。
これによって、今まで以上に会社全体の成長を加速化することが可能になります。