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2016.11.16

RIZAPグループのM&A戦略

2016.11.16

「自己投資産業でグローバルNo.1ブランドとなる」 RIZAPグループの急成長をM&Aから見る!

江黒崇史
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今や誰もが知るプライベートジムのRIZAP。私の周りではRIZAPをもじって、
ダイエットをやることを「○○ザップ」となるまで社会に浸透した同社は、ダイエットの代名詞と言っても過言ではないでしょう。

しかしそんな同社も今やヘルスケア全般はもちろん、アパレル事業や住ライフスタイル事業、エンターテイメント事業、ゴルフ事業、英会話事業も展開しております。
同社の快進撃は日本経済新聞でも大きく取り上げられております(2016年10月20日付)。

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売上高、経常利益の推移

では同社の売上高、経常利益はどのように推移しているのでしょうか。まずは連結財務諸表から見ていきましょう。

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平成24年3月期から平成28年3月期をみると売上高は約4.1倍、経常利益は約4.9倍の驚異的な成長率となっております。
単体の売上高、経常利益の推移は以下となります。

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単体でみても平成24年3月期から平成28年3月期を比較すると売上高は約5.4倍、経常利益は約2倍の延びとなっており、その成長スピードに驚かされますね。
同社は何度か組織再編を行い、現在は親会社であるRIZAPグループ株式会社が事業持株会社となって主たる美容、健康関連事業を手掛けているため単体でみても売上高の伸びが驚異的なものとなっておりますね。

事業の沿革

RIZAPは元々「健康コーポレーション」という社名で平成15年に設立されました。有価証券報告書によると「健康食品の通信販売を目的」として会社設立とあります。
今や時代の寵児とも言えるほど脚光を浴びているRIZAPですが、設立当時は健康食品のECサイトで事業を開始し、自社サイトや楽天市場への出店を行っておりました。

しかし事業の成長に向けてM&Aを活発に行っています。
例えば、一例をみると(同社、有価証券報告書沿革より)

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上記はあくまで一例であります。同社の連結子会社数は下記の様に推移しております。

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なお非連結子会社も13社あります。
今後どれだけ子会社が増えるのか楽しみですね。

事業セグメント

さて、このように多くの会社をM&Aを実施してきた同社のセグメントは下記となっております。

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同社は健康食品の通販事業からスタートしましたが、現在は「自己投資産業でグローバルNo.1ブランドとなる」というビジョンを掲げております。

そして、自己投資産業の中でお客様が、自ら「変わる。」という体験を通して、感動と自信を手に入れていくことに全力で向き合っていることから、そのために
必要な事業としてアパレル事業や住関連のライフスタイル事業、エンターテイメント事業へと事業拡大をしていったのでしょう。

今後の投資戦略

同社は今後の成長戦略として強みであるRIZAPのヘルスケア・美容市場以外に自己投資産業市場として英語教育、ゴルフ、スポーツ教室、スポーツ用品・ウェア、その他習い事市場、ビジネススキル研修をターゲット市場として考えております。
(以下は同社決算説明資料より)

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たしかにこれらの市場でもRIZAPのブランドが活きそうですね。同社が様々な分野へ投資をし、RIZAPのブランドが街に溢れる日が近いかもしれません。

直近のトピックス

同社は平成28年5月16日に海外時用展開の加速化と国際財務報告基準(IFRS)の任意適用のお知らせを公表しました。
既に同社は香港、台湾、中国、シンガポール、アメリカに出店をし、かなりの手ごたえを感じているということです。今後も日本型のRIZAPサービスの現地化をさらに推進するという力強い言葉がリリースから読み取れます。そして、そのような中、会計基準をIFRSに変更しました。
同社は数々のM&Aの結果、平成28年3月末時点で「のれん」が43億円計上されております。IFRSでは「のれん」の定期償却は不要なので、IFRSの適用により利益率の上昇が見込めますね。
近年は重厚長大な企業だけでなく、まだまだベンチャーといわれる企業でも積極的な海外展開、積極的なM&Aの結果からIFRSを適用する例が見られます。

今後の事業展開に向けて、M&A戦略を加速することは間違いないでしょう。RIZAPグループのM&Aニュースに注目していきたいと思います。

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