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2017.1.25

ファミリーマートとユニーのM&A

2017.1.25

ファミリーマートとユニーのM&Aについて

家永勲
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今回の経営統合

コンビニエンスストアのフランチャイズ事業を展開する株式会社ファミリーマートと「サークルK」や「サンクス」等のブランドでコンビニエンスストアを展開するユニーグループ・ホールディングス株式会社が合併による経営統合を行ったことは、コンビニエンスストアの業界順位を変動させ、大きな話題となりました。コンビニエンスストアのブランド名は「ファミリーマート」に統一していくということで、現在、名称の変更が進められています。

今回の経営統合により、「ファミリーマート」がコンビニエンスストア業界において、2位のシェアを占めることになると報道されています。このような、業界の再編につながるようなM&Aにおいては、独占禁止法による規制に対しての配慮が必要となります。

また、フランチャイズ契約により多くの店舗を抱える以上、株式譲渡という手法によっては、ブランドの統一化を図ることは困難であるため、M&Aスキーム選択も重要であったと思われます。

1、今回のM&Aスキームについて

開示資料等においても明らかにされていますが、今回のM&Aは、2段階の手続を経る方法で実施されています。

今回のスキームは、①株式会社ファミリーマートを存続会社とし、ユニーグループ・ホールディングス株式会社を消滅会社とする、吸収合併を実施する、②吸収合併により事業が統一された新会社から、株式会社ファミリーマートのコンビニエンス事業部分を吸収分割により、ユニーグループ・ホールディングス株式会社の傘下にある株式会社サークルKサンクスへ承継させるというものです。

おそらく、フランチャイズ事業を行う会社である以上、法人格を丸ごと引き継ぐような包括承継の性質を有する手続きを選択することが最適と判断されたのでしょう。

フランチャイズ事業においては、各店舗とフランチャイズ契約を締結しており、事業譲渡等の包括承継の性質を有していない手法においては、個別の店舗の同意がなければブランドの統一は達成が困難であり、個別の事業者が離れて行ってしまうリスクもあります。

また、双方が持株会社を有している状態であれば異なる手法となったと思われますが、今回は、株式会社ファミリーマートは持株会社ではなく事業会社である一方、ユニーグループ・ホールディングス株式会社は持株会社であったことから、吸収合併後に会社分割をして、両社を統合した持株会社の成立と事業会社の統一を図ったスキームを実行したと考えられます。

2、独占禁止法との関係について

業界シェア2位になったということや双方の売上高などからしても、独占禁止法上の規制が及びうる企業結合の類型であったであろうと思われます。合併の場合、国内売上高合計額200億円超の会社と50億円超の会社が合併する場合、公正取引委員会に事前届出を行う必要があり、あらかじめ公正取引委員会による独占禁止法が定める公正な競争を実質的に制限することがないか審査を受ける期間が必要となります。当該届出に基づいて、公正な競争を実質的な制限がないと認められなければ、M&Aの実施ができないこととなるため、一定以上の規模を有する会社同士の合併においては、非常に重要となる手続といえるでしょう。

今回の開示資料においても、公正取引委員会より「排除措置命令を行わない旨の通知書」を受領している旨開示されており、事前届出の手続きを行っていたことが明らかにされています。

以上

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