プロコメ

2017.2.15

クックパッド創業者によるオウチーノ買収について

2017.2.15

クックパッド元代表のTOBによりオウチーノは再成長するのか

照井 久雄
照井 久雄 中小企業診断士 プロフィールを見る

平成28年10月28日、龝田誉輝氏(以下「龝田氏」と記載します。)による株式会社オウチーノのTOBが発表されました。まずここで龝田氏の経歴についてみていきたいと思います。

龝田氏の経歴

現在のジャフコに1993年に入社し、1999年に、ベンチャー投資する企業を設立。カカクコムなどに投資。

その後、2001年にカカクコムの創業者である槙野氏に代わり代表取締役に就任。当時カカクコムも投資していた、クックパッドの社外取締役に2007年に就任。2012年には、クックパッドの代表執行役兼取締役に就任した。クックパッドを多角化にて成長に成功。2016年にクックパッドの創業者である佐野氏と経営方針を巡り対立。代表執行役を退任して、執行役兼取締役となった。これにより、実質的には、クックパッドの経営からは退く。

さて、今回の、オウチーノの買収についてみていきたいとと思います。

オウチーノの業績推移について

平成25年12月期1,629百万円 平成26年12月期1,534百万円 平成27年12月期 1,522百万円 経常利益では、145百万円、-128百万円、-27百万円となっております。業績の推移をみていても、思ったような成長が出来ず、直近2期は赤字に陥っております。このような中、オウチーノとしては、自社の成長戦略を描く際にどの戦略をとるべきかということで今回のTOBに至ったと思われます。

開示文書の中では以下のように表現されております。

当社は、平成 26 年 12 月期及び平成 27 年 12 月期の2期連続で当期純損失を 計上する中で、メディアビジネスとしての再成長を図る上での有効な事業・資本提携 の事業パートナーについて、穐田氏個人を含む様々な業種業態の企業や個人と事業・ 資本提携の可能性について模索・検討してまいりました。その結果、「2.募集及び処 分の目的及び理由」「(1)本取引の目的」に記載のとおり、(i)穐田氏の株主・投資家 としての視点を活かした助言・指導が期待できること、(ii)当社における人材強化を 図ることが可能となると考えられること、(iii)顧問候補者らによる当社の経営及び事 業に対する支援が期待できることを踏まえ、当社としては、住宅・不動産関連ポータ ル事業の事業価値の向上及び収益力やブランド力の強化が図れること、ひいては、中 長期的な当社の企業価値の向上を実現することが可能になることから、穐田氏らから 出資を受けた上で当社の事業活動に対する支援を受けることが最善の選択肢であると 16 判断しました。 そして、穐田氏らからは当社が中核事業として住宅・不動産関連ポータル事業に中 長期的に注力する体制を早期に構築し、再成長に向けて収益力の強化を図るという方 針のもとで事業活動に取り組んでいることについて理解をいただき、本第三者割当の 引受及び本公開買付けの実施について合意に至ったことから、今回の割当予定先とし て選定するに至りました。(平成28年10月28日 第三者割当による新株式発行及び自己株式の処分に関するお知らせ から引用)

株価への影響

本IRをした平成28年10月28日の終値が 802円でした。次営業日から株価は上がり続け、平成28年11月7日には、終値で2,765円をつけました。それだけ、今回の龝田氏をはじめとして、旧クックパッドの執行役員陣の経営手腕に期待が集まったということだと思います。平成29年2月14日の終値は、4,000円となり、今回のIR発表前の約5倍となりました。

平成28年12月期の決算が平成29年2月14日に決算短信にて開示されました。その結果は、売上高 1,108百万円 経常利益 -132百万円 となっており、減収減益となっております。主な理由としては、効率的なサイト運営を目指したプラットフォーム の再構築等の大幅な遅れから収益性が低下し、最優先課題であった住宅・不動産関連ポータル事業の再成長のため の取り組みでは苦戦を強いられたとしております。ここまでは、旧運営体制にて行われており、平成29年3月29日の株主総会後に新経営陣が陣頭指揮をとりオウチーノの業績回復に努めていくこととなります。

新代表が誰になるかも含め今後のオウチーノについては注目であります。

その他専門家コラム

最新のプロコメテーマ