プロコメ

2017.4.26

セプテーニHD、CAMPFIREと資本・業務提携契約締結

2017.4.26

クラウドファンディングの草分け、株式会社CAMPFIREが第3者割当を実施

川井隆史
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はじめに

クラウドファンディングの草分けともいうべき株式会社CAMPFIREが1月10日総額3億3000万円の第3者割当を行いました。設立時の2011年に約2600万、そして翌年の2012年に5000万の第三者割当を行ってから約4年ぶりの大型の第3者割当です。
プレスリリースによれば今までは主に購入型クラウドファンディング(お金の出し手は資金の拠出と引き換えに相手先から製品やサービスを受け取る型)を手掛けてきましたが、今後は融資型(お金の出し手は元利を受け取れる)や株式・投資型(未公開株などに投資してキャピタルゲインまたは配当を狙っていく)にシフトしていくための資金を調達した模様です。また、この資金でAIを使った与信審査モデルやデータ分析などの研究開発に着手していくようです。AIや与信審査モデルの開発と言うとかなり人材や知的財産の購入など、かなり投資が必要と考えら、そのための資金調達というのはエクイティストーリーとして悪くないでしょう。

今回の調達のポイント

2016年のクラウドファンディングにおけるCAMPFIREへの流入額が約9億になって、少しクラウドファンディングが軌道に乗ってきたというのが今回の調達の1つの内幕と想像します。ただし、手数料は集めた金額の通常8%~10%のようですから手数料収入は約7000~8000万程度でありおそらく赤字ではないかと思われます。
興味深いことの一つとしてはいわゆるミッドステージあたりで現れるベンチャーキャピタル(VC)はSMBCベンチャーキャピタルとSun Eightくらいであることです。むしろまだ、アーリーステージやテクノロジーに強いEast Venture(もとミクシーのCTOの衛藤バタラ氏などが代表)やi SGS、D4V1号投資事業有限責任組合(Genuine Startupが組成)などが出資しているところが興味深いと言えます。
全体的にみるとアーリー系VCが3社、少しミッドステージで出てくるVCが2社、事業会社がセプティーニ・ホールディングス、ディー・エヌ・エー、GMOインターネット、フリークアウト・ホールディングスなど4社、個人が3人と非常にバランスよく調達している感は強いです。このあたり、家入一真氏のITベンチャーの世界における顔の広さが垣間見えると言えるでしょう。
そして今回の第3者割当で一番注目されるのは谷家衛氏の出資と会長就任でしょう。谷家氏は個人でも出資していますが、D4V1号投資事業有限責任組合の組成会社Genuine Startupsの代表でもあるので、Fundを通じても出資しほぼ共同出資者のような形で本格的に経営に参画するものと思われます。谷家氏は金融のプロですからかなり金融業の方に舵を切っていくものと思われます。
巨視的に見ていくと今回の資金調達の中心は実は谷家氏であり、後の方々は好意的な支援者たちと純粋な投資家たちのように見えます。

事業投資家との提携についての考察

事業投資家についてセプティーニ・ホールディングスについてみてみましょう。この資本提携でマンガコンテンツ事業においてCAMPFIREと連携はしています。子会社のマンガコンテンツ事業を手がけるコミックスマート株式会社が運営するマンガ配信サービスで連載中のオリジナル作品における限定グッズの制作に向けた取り組みです。この中でクラウドファンディングを利用し全て目標金額を達成しています。
ただし、マンガコンテンツを代表とするメディアコンテンツ事業は第一四半期現在まだ収益の6%程度です。上場携帯ゲーム会社のアクセルマークをノンコア事業として2016年5月に売却し選択と集中を図っている中では力を比較的いれている事業かもしれませんがまだまだコア事業と言う感じではありません。やはり、この出資は戦略的提携というよりもどちらかと言うとお付き合いの感は強いかなと言うのが私的な感覚です。

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