» クラウドファンディングの草分け、株式会社CAMPFIREが第3者割当を実施

テーマセプテーニHD、CAMPFIREと資本・業務提携契約締結

2017年1月10日、株式会社セプテーニ・ホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役:佐藤 光紀、証券コード:4293)は、株式会社CAMPFIRE(本社:東京都渋谷区、代表取締役:家入 一真)と資本・業務提携契約を締結しました。

この資本業務提携で、CAMPFIREが第三者割当増資による新株式を発行し、その一部を株式会社セプテーニ・ホールディングスが取得します。

「クラウドファンディングの草分け、株式会社CAMPFIREが第3者割当を実施」

2017年4月26日
川井隆史

公認会計士
当時世界最大級の会計・コンサル企業であったアーサーアンダーセン、米コカ・コーラやGEなどのグローバル企業で事業計画やM&A後のインテグレーション責任者など従事後、その経験を生かし外資系日本法人のCFOや上場ベンチャー企業の役員などを経て創業。現在ハンズオン・CFO・パートナーズ㈱ 代表取締役社長として PMI業務(買収後統合業務)や外資系企業・ベンチャー企業の外部CFO業務、経営改善・税務会計コンサルティングなどを行っている。

はじめに

クラウドファンディングの草分けともいうべき株式会社CAMPFIREが1月10日総額3億3000万円の第3者割当を行いました。設立時の2011年に約2600万、そして翌年の2012年に5000万の第三者割当を行ってから約4年ぶりの大型の第3者割当です。
プレスリリースによれば今までは主に購入型クラウドファンディング(お金の出し手は資金の拠出と引き換えに相手先から製品やサービスを受け取る型)を手掛けてきましたが、今後は融資型(お金の出し手は元利を受け取れる)や株式・投資型(未公開株などに投資してキャピタルゲインまたは配当を狙っていく)にシフトしていくための資金を調達した模様です。また、この資金でAIを使った与信審査モデルやデータ分析などの研究開発に着手していくようです。AIや与信審査モデルの開発と言うとかなり人材や知的財産の購入など、かなり投資が必要と考えら、そのための資金調達というのはエクイティストーリーとして悪くないでしょう。

 

今回の調達のポイント

2016年のクラウドファンディングにおけるCAMPFIREへの流入額が約9億になって、少しクラウドファンディングが軌道に乗ってきたというのが今回の調達の1つの内幕と想像します。ただし、手数料は集めた金額の通常8%~10%のようですから手数料収入は約7000~8000万程度でありおそらく赤字ではないかと思われます。
興味深いことの一つとしてはいわゆるミッドステージあたりで現れるベンチャーキャピタル(VC)はSMBCベンチャーキャピタルとSun Eightくらいであることです。むしろまだ、アーリーステージやテクノロジーに強いEast Venture(もとミクシーのCTOの衛藤バタラ氏などが代表)やi SGS、D4V1号投資事業有限責任組合(Genuine Startupが組成)などが出資しているところが興味深いと言えます。
全体的にみるとアーリー系VCが3社、少しミッドステージで出てくるVCが2社、事業会社がセプティーニ・ホールディングス、ディー・エヌ・エー、GMOインターネット、フリークアウト・ホールディングスなど4社、個人が3人と非常にバランスよく調達している感は強いです。このあたり、家入一真氏のITベンチャーの世界における顔の広さが垣間見えると言えるでしょう。
そして今回の第3者割当で一番注目されるのは谷家衛氏の出資と会長就任でしょう。谷家氏は個人でも出資していますが、D4V1号投資事業有限責任組合の組成会社Genuine Startupsの代表でもあるので、Fundを通じても出資しほぼ共同出資者のような形で本格的に経営に参画するものと思われます。谷家氏は金融のプロですからかなり金融業の方に舵を切っていくものと思われます。
巨視的に見ていくと今回の資金調達の中心は実は谷家氏であり、後の方々は好意的な支援者たちと純粋な投資家たちのように見えます。

 

事業投資家との提携についての考察

事業投資家についてセプティーニ・ホールディングスについてみてみましょう。この資本提携でマンガコンテンツ事業においてCAMPFIREと連携はしています。子会社のマンガコンテンツ事業を手がけるコミックスマート株式会社が運営するマンガ配信サービスで連載中のオリジナル作品における限定グッズの制作に向けた取り組みです。この中でクラウドファンディングを利用し全て目標金額を達成しています。
ただし、マンガコンテンツを代表とするメディアコンテンツ事業は第一四半期現在まだ収益の6%程度です。上場携帯ゲーム会社のアクセルマークをノンコア事業として2016年5月に売却し選択と集中を図っている中では力を比較的いれている事業かもしれませんがまだまだコア事業と言う感じではありません。やはり、この出資は戦略的提携というよりもどちらかと言うとお付き合いの感は強いかなと言うのが私的な感覚です。

その他専門家コラム

  • 「セプテーニ・ホールディングスの先行投資の行方」

    阪野公夫

    弁護士

    阪野公夫法律事務所 代表(愛知県弁護士会所属) 1974年生まれ。早大卒。2003年に弁護士登録。主に愛知県や名古屋市における、中小・中堅企業の倒産や事業再生・M&Aの案件に携わる。最近では、コア部門の事業譲渡と清算を行う第二会社方式による再生案件に数多く関与。企業破産や破産管財人での実績も多数。2013年3月には「金融円滑化法終了を踏まえた事業再生の最新実務とM&Aの活用方法」の講演を共催。

  • 「株式会社セプテーニ・ホールディングスと株式会社CAMPFIREとの資本・業務提携契約について」

    藤原宏高

    弁護士

    弁護士法人ひかり総合法律事務所、代表弁護士の藤原宏高です。 2006年~2014年までミネベア株式会社社外監査役、2016年~現在は、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの社外監査役を務めております。 これまで顧客本位のリーガルサービスを目標として,ワンストップサービスを実現させるべく海外法律事務所ともネットワークを構築し,中小企業の海外進出支援や,中小企業の事業承継とM&A取引などに積極的に取り組んで参りました。

  • 「金融に舵をきるCAMPFIREに出資したネットマーケティング事業者の思惑とは?」

    河本秀介

    弁護士

    敬和綜合法律事務所所属。東京大学法学部卒業後、三菱重工業株式会社資金部における4年間の勤務を経て、2007年に弁護士登録。 以後、企業での勤務経験を活かした実践的な角度によるコーポレート分野のリーガルアドバイス、M&Aアドバイス、企業間訴訟などを幅広く手掛けるほか、IT法務や金融・ファンドの分野にも独自の強みを持つ。

  • 「セプテーニとCAMPFIREの資本・業務提携について」

    家永勲

    弁護士

    家永 勲 弁護士法人ALG&Associates パートナー・弁護士 東京弁護士会所属 上場企業が手がけるM&Aにおける法務DDの責任者として対応するほか、会社法を活用した買収目的に適したスキームの策定等も実践し、M&Aに関わる法務問題を幅広く取り扱っている。 企業法務におけるトラブルへの対応とその予防策に関するセミナーのほかストレスチェックやマイナンバーなど最新の法改正に即したセミナーや執筆も多数行っている。