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2017.4.26

セプテーニHD、CAMPFIREと資本・業務提携契約締結

2017.4.27

セプテーニとCAMPFIREの資本・業務提携について

家永勲
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今年の1月10日にマンガコンテンツ事業を手掛ける子会社を有する株式会社セプテーニ・ホールディングス(以下、「セプテーニ社」)とクラウドファンディングのプラットフォームを運営する株式会社CAMPFIRE(以下、「CAMPFIRE社」)間の資本及び業務提携が発表されました。

開示された情報によれば、CAMPFIRE社からの第三者割当増資の一部をセプテーニ社が引き受けることで資本提携を実現するようです。
また、マンガコンテンツ事業において、すでに5つの企画をクラウドファンディングにより実行に移しており、既に一定の関係性を持っていた状況での業務提携であると思われます。

1. 資本及び業務提携の目的について

資本及び業務提携と一口に言っても、その内容は様々であり、どのような提携関係になるのかは、当事者の目的に左右されます。
資本提携まで含めて行う場合に、一般的には、資金調達目的を有する会社と投資することによりリターンを期待する会社の間で行われることが多いですが、本件の場合、このような目的が主眼ではないように思われます。
投資する会社としては、一定の支配権を有し、投資先の会社をコントロールする場合もあり、支配する株式数が少なければ、期待した効果を得られないと考えられます。現時点におけるCAMPFIRE社の資本金及び資本準備金は約4億5000万円と比較的高額であるところ、今回の資本及び業務提携において、セプテーニ社が保有することになったのは、第三者割当増資の「一部」であり、既存の株式と含めて考えた場合に、その保有割合は必ずしも高いとは思われず、支配的な株主となっていないと思われます。
とすれば、今回の資本及び業務提携の主眼は、実は業務提携としての要素が大きかったのではないかと思われます。

2. セプテーニ社にとってのクラウドファウンディングの価値

セプテーニ社が資本及び業務提携の主たる目的は、マンガコンテンツ事業におけるクラウドファンディング事業の実施と関連しているのでしょう。
クラウドファンディングには、いくつか類型が存在し、その方法によって法規制も異なれば、出資者が得る物も異なります。セプテーニ社がCAMPFIRE社と行ったクラウドファンディングの類型は、比較的分かりやすい形態で、出資した金額に応じて、企画が実行された場合には、商品を入手できるというものであり、ある種売買の予約のような性質での資金調達となっています。
このようなクラウドファンディングの活用は、商品化する価値を顧客に判断させ、一定以上の需要がある場合には、実行に移すという意味で的確なマーケティングを実現するためには、有用な手段といえます。欲しい人の手元には必ず出資額に応じた商品が届くという意味では、出資者の満足感も確保しやすいでしょう。
このようなプラットフォームがセプテーニ社のマンガコンテンツ事業とマッチしたように思われます。漫画というコンテンツ自体がそもそもライセンスによる各種商品展開に向いているという特性があります。しかしながら、漫画自体は売れるのに関連商品は思ったほどうまく展開されない、又は展開するためには多額の広告費等が必要となるというケースも想定されます。
しかしながら、セプテーニ社が保有するマンガコンテンツ事業は、デジタルコンテンツ上において漫画を連載するというものですが、デジタルコンテンツであるがゆえに、人気の有無等についてもプレビュー数や読者の評価を見ることで把握することができるうえ、これに売買予約類似のクラウドファンディングによる関連商品の展開を実行できれば、漫画に関するライセンス事業の展開についてもリスクを低減できるというメリットがあります。
業務提携を行いクラウドファンディングが利用できれば上記のような展開は実現できるとは思われますが、セプテーニ社にとっては、CAMPFIRE社のプラットフォームが存続し続けることに価値を見いだし、資本提携にまで至ったと思われます。
以上

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