» ドンキホーテとユニーファミマの資本業務提携の意味とは

テーマドンキホーテHD、ユニー・ファミリーマートHD傘下のユニーに40%出資

 

 

株式会社ドンキホーテホールディングスとユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社は、両社の業務提携に向けた検討を行っていたが、両社グループの強み・ノウハウを活かした両社事業の強化を目的として、平成29年8月31日に業務提携、及びユニー・ファミリーマートホールディングスの100%子会社であるユニー株式の一部をドンキホーテホールディングスに譲渡することを内容とした資本提携を行うと発表した。

本件について両社それぞれの視点で考察いたします。

「ドンキホーテとユニーファミマの資本業務提携の意味とは」

2017年9月27日
小林幸与

弁護士・税理士

明治大学法学部卒業後の昭和61年から弁護士活動開始。結婚出産子育てを経て、平成9年より豊島区池袋にて弁護士活動を再開。その後、東京税理士会に登録して税務分野に拡大。法人化を機会に平成26年東京銀座に進出。現在は、弁護士法人リーガル東京と税理士法人リーガル東京の代表として、銀座本店と池袋支店で弁護士5名・税理士2名の体制にて、相続税務や事業承継を含む相続全般・不動産関係に特化した事務所を経営する。

 

 

1、ドンキホーテとユニーファミマが資本業務提携の内容

2、ドンキホーテ側の事情・思惑(狙い)

3、ユニーファミマ側の事情・思惑(狙い)

4、両会社の資本業務提携の今後

 

 

1、ドンキホーテとユニーファミマが資本業務提携の内容

ディスカウントストア国内最大手のドンキホーテホールディングスと、コンビニエンスストアや総合スーパーを主に経営するユニー・ファミリーマートホールディングスは、平成29年8月31日、資本・業務に関する提携契約を締結したと公表しました。資本提携の内容は、ユニー・ファミリーマートホールディングスの100%子会社であるユニー株式20万株の内、8万株をドンキホーテホールディングスに譲渡する内容であり、株式譲渡実行日を今年11月予定としていますが、譲渡価格は公表されていません。譲渡後のユニー株式の保有割合は、ドンキホーテホールディングスが40%、ユニー・ファミリーマートホールディングスが60%となります。

 

 

2、ドンキホーテホールディングスの事情・思惑

今回の取引は、ドンキホーテホールディングス側から持ち掛けたそうです。

ドンキホーテホールディングスは、1978年に西荻窪でディスカウントストア「泥棒市場」として創業し、その後「ドン・キホーテ」と名称変更した後、渋谷店(旗艦店)など首都圏各地に出店し、2005年にはハワイのダイエー全店舗を継承し、さらに2007年総合スーパー大手の「サンバード長崎屋」を140億円で買収し、多くの店舗を「メガ・ドンキホーテ」に改装して再生し、郊外まで規模と商圏を拡大させた実績(成功体験)を持っています。

それ以降も家電量販店やパチンコ店など多くの居抜き物件を割安で取得し、店舗を拡大してきましたが、最近では居抜き物件が不足してきたこともあり、

多くの総合スーパー店舗の閉店を計画中のユニー・ファミリーマートホールディングスにアプローチしたとみられています。

またユニー・ファミリーマートホールディングスの有する店舗数は、ファミリーマートと比較すると、かなり少なく、ファミリーマートの店舗数(約1万8000店舗)は非常に魅力的といえます。ドンキホーテホールディングスは

「情熱価格」というプライベートブランド商品を開発拡大してきており、また近年、店舗に生鮮食料品を置くなど、商品ラインナップも拡張しており、ニッチでない領域で成功するには、巨大な店舗網を有する既存企業とて提携するのが合理的と考えたと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3、ユニー・ファミリーマートホールディングスの事情・思惑(狙い)

ユニー・ファミリーマートホールディングスは、コンビ二業界3位のファミリーマートが総合スーパーやサークルKサンクスを運営するユニーグループ・ホールデングスと経営統合して、平成28年9月に発足した会社です。

この結果、ファミリーマートの店舗数は、コンビ二業界1位のセブンイレブンの店舗数に近づき、コンビ二業界2位の店舗数になりましたが、ファミリーマートは、1店舗あたりの平均売上げが約1億6000万円で、セブンイレブンのそれ(約2億3000万円)よりかなり下回っており、その打開策として商品構成をより魅力的なものに変える必要性があったといわれています。この点で圧倒的な商品開発力を持つドンキホーテホールディングスとの提携は好都合だったのです。

さらにユニー・ファミリーマートホールディングスは、傘下の総合スーパーの売上低迷と収益力の低下に悩んでおり、相当数の店舗閉鎖による総合スーパーの圧縮を計画していました。総合スーパー大手の「サンバード長崎屋」を「メガ・ドンキホーテ」に改装して再生させたドンキホーテホールディングスの手腕で、総合スーパーの商品力強化などをしたいとの思惑があると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4、両会社の資本業務提携の今後

ドンキホーテホールディングスとユニー・ファミリーマートホールディングスは、今後ユニー・ファミリーマートホールディングスが閉店を決めた店舗の一部を、「メガ・ドンキホーテ」としてオープンさせるとのことであり、さらに業績が低迷しているスーパー(アピタ・ピアゴ6店)を選んで、ドン・キホーテとのダブルネーム店舗として運営する方針や、ドン・キホーテの店舗内にファミリーマートを出店させる方針もあるとのことです。そして商品の共同開発や共同仕入れ、販売データの総合活用などを行い、仕入れや物流の合理化を進める外、人事交流、金融などのサービスの協議も行うとし、電子マネーや顧客IDなどの共通化も検討するとしています。

このようにみると、今回の資本業務提携は、両会社にとってWIN  WINの関係であるといってよいと思います。

以上

 

 

その他専門家コラム

  • 「ドンキHDによるGMSのドンキ化 ~ユニーとドンキHDの資本提携の目的~」

    中野友貴

    弁護士

    クレア法律事務所所属弁護士。
    2010年慶応義塾大学総合政策学部卒業、2012年北海道大学法科大学院卒業。ベンチャー企業支援を主な業務とする現事務所に所属し、法務デューデリジェンス、契約書の作成・審査、サービスの適法性審査など、ベンチャー企業にかかわる法務支援を総合的に取り扱う。
    著書として『IoTビジネスを成功させるための法務入門』(第一法規株式会社)。

  • 「ドン・キホーテHD、ユニー・ファミリーマートHD傘下のユニーの株式取得について」

    飯島康央

    弁護士

    弁護士 飯島康央
    紀尾井町法律事務所所属。2000年4月弁護士登録。2015年度第二東京弁護士会副会長。2015年6月からパルシステム生活協同組合連合会員外監事を務めています。
    離婚や相続問題、交通事故や消費者事件などの他、企業間の法的トラブルに関する訴訟事件や契約書の作成、審査、債権回収、労務問題など、中小企業の法務支援にも力を注いでいます。

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    離婚や相続問題、交通事故や消費者事件などの他、企業間の法的トラブルに関する訴訟事件や契約書の作成、審査、債権回収、労務問題など、中小企業の法務支援にも力を注いでいます。