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2017.10.11

ソフトバンクのM&A歴史

2017.10.11

ソフトバンクのM&A歴史をみてみる

照井 久雄
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日本企業の中でM&A戦略を巧みに活用して成長している企業といわれ、一番最初に思い出すのが「日本電産」と「ソフトバンク」だと思います。今回はその中でソフトバンクのM&Aの歴史を見ながら、何故「ソフトバンク」はここまで巨大な企業へと成長することが出来たのか。また、孫正義が考える「同志的結合」とは何かということについて、記載をしていきたいと思います。

ソフトバンクのあゆみ

(主なM&Aを記載 ※全てのM&Aについて記載しているわけではありません。)

1981年 日本ソフトバンク設立
1982年 孫正義氏慢性肺炎により命の危機に直面
1986年 孫正義氏慢性肺炎が完治/ソフトウィング事件が起こり一部社員が離反
1994年 株式店頭公開
1995年 コムデックス買収/米ヤフーに出資
1996年 日本にてヤフーを設立
1996年 オーストラリア ニューズコーポレーションと全国朝日放送(現テレビ朝日)の株式を取得/アメリカ キングストンテクノロジーを買収/トレンドマイクロへ出資
1998年 東証1部に上場/アメリカ Eトレードへ出資
2000年 日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)をオリックスなどと共同で買収/中国アリババに出資/ナスダックジャパン設立
2001年 ブロードバンド通信に参入/東京めたりっく買収
2004年 ホークス球団を買収/日本テレコム買収
2006年 ボーダフォン日本法人買収
2012年 イー・アクセス完全子会社化
2013年 ガンホー・オンライン・エンターテイメントを完全子会社化/アメリカ スプリントを買収/フィンランド スーパセル 買収
2014年 アメリカ ブライトスター買収/インド スナップディール出資
2016年 イギリス アームを買収
2017年 サウジアラビアと10兆円規模の巨大ファンド組成

これがソフトバンク設立から今までの主な歩みであります。1社の企業が時代に合わせそして時代を読みここまでM&Aを行っているということは非常に脅威的なことであると思います。もちろん、中には失敗したM&Aもあるのも事実ではある。特に90年代後半から行ったM&Aは、yahooを除き、事象だけみれば失敗であったM&Aが多い。しかしながらそれでも、より多くの果実を取っているのが、孫正義が行っているM&A戦略なのである。

孫正義のM&A哲学

孫正義の本などを読んでいるとM&A哲学について「同志的結合」というものが出てくる。「同志的結合は、金銭的結合より強い」ともいっている。この言葉自体は、孫正義の恩師である佐々木正(シャープ元副社長)であるという。同志的結合=志をともにする仲間を増やしていくということである。

事実、例えば2000年代にブロードバンドへ進出した際に、その基盤として助けたのが、2001年に買収した東京めたりっくの宮川潤一氏である。宮川氏は現在も米のスプリントの再建などで力を発揮をしている。同じく、アリババの会長でもあるユン(ジャック)・マー氏は、ソフトバンクグループの取締役にも就任して、ソフトバンクグループの経営に対して助言などを行っている。

このように、大きな志のもとに集まった企業(経営者)がそれぞれ志をともにしながらそれぞれ持てる力を最大限発揮しお互いが化学変化することによって、さらなる高みを追求していく。これが、「同志的結合」のダイナミックさであるのだと思う。

ソフトバンクの向かうところ

孫正義は、常々、「孫 正義は何を発明したか」と問われたら、「300年間成長し続ける構造を発明した」ということいっている。つまり、300年間成長し続ける構造をつくることがソフトバンクグループの目指すところなのである。その経営手法の一つとして「M&A戦略」を巧みに使っているのである。2010年の株主総会で発表された30年ビジョンとして、シナジーグループとして、以下のように語っています。

「20世紀の会社組織はピラミッド型の中央集権で大量生産、大量販売を目指すのが普通でした。われわれのグループはそうではなく、WEB型組織にしたいと考えています。中央集権ではなく、戦略的シナジーグループがどんどん分散・分権して、お互いに自律している、そして協調しあう。だからこそ自己進化、自己増殖できるのです。出資比率20%から40%の緩やかな資本提携で、志を共にする集団を作る。そういうパートナー戦略で、組織構造を30年以内に5,000社規模に拡大したいと考えています。」

5000社規模の同志的結合している企業体がソフトバンクグループが2010年から30年以内に目指す世界なのだと思う。

「同志的結合」している企業が5000社規模になった際に、世界的にどのような変化を起こせるような企業グループになっているのだろうか。非常に楽しみな企業である。

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