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テーマオークファン、ネットプライスを買収

株式会社オークファンは平成29年11月1日の取締役にて、BEENOS株式会社より、BtoC ECショッピング事業を運営する株式会社ネットプライスの全株式を取得し、子会社化することを決議した。

今回、株式会社ネットプライスをグループ傘下に加えることで、ネットプライス事業ならびに『NETSEA』『リバリュー』事業の大きな拡大が目指せるものと判断し、ネットプライスの全株式取得を決議した。

「オークファンがネットプライスを買収」

2017年12月6日
飯島康央

弁護士

弁護士 飯島康央
紀尾井町法律事務所所属。2000年4月弁護士登録。2015年度第二東京弁護士会副会長。2015年6月からパルシステム生活協同組合連合会員外監事を務めています。
離婚や相続問題、交通事故や消費者事件などの他、企業間の法的トラブルに関する訴訟事件や契約書の作成、審査、債権回収、労務問題など、中小企業の法務支援にも力を注いでいます。

 

1 はじめに

ショッピング・オークション一括検索・比較サイト「オークファン」の運営や国内最大級のBtoB仕入れサイト「NETSEA」、滞留品・返品などのワケアリ品の流動化支援事業「リバリュー」を中心としたマーケットプレイス事業を展開している株式会社オークファンは、BEENOS株式会社より、BtoC ECショッピング事業を運営する株式会社ネットプライスの全株式を取得し、子会社化すると発表しました。

取得価格は8800万円とのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 ネットプライス買収の戦略的意味

  オークファンによって開示されている情報や既に報道されている内容によれば、オークファンのネットプライス買収の戦略的意味は、単にオークファンがBtoC事業に進出し事業を拡大するということだけではなく、オークファンが行っているそれぞれの事業に対して相乗効果が期待でき、より多面的なソリューション提供が可能になるという点にあるようです。

一般的に、企業買収がなされる場合には様々な目的が設定されます。同種の事業を行っている会社を買収する場合(例えば、飲食事業を展開する会社が他の飲食事業を展開する会社を買収する場合など)では、事業エリアを拡大することやスケールメリットによる原価率の低減を狙った買収などが考えられます。他方、異種事業に進出する場合には、多角化経営による事業の拡大を目的とすることが考えられます。さらに、既存の事業と親和性を有する異なる事業や類似の事業を買収する場合などでは、単なる多角化経営や活動範囲の拡大のみならず、異なる事業の融合によるさまざまな相乗効果を期待して買収が実行される場合もあります。

 

今回のオークファンによる買収は、後者の目的が強いようです。

具体的には、オークファンが保有する取引データとネットプライスの保有する取引データの掛け合わせや、「NETSEA」や「リバリュー」の持つ顧客基盤や流通基盤とネットプライスの保有するサプライヤーネットワークや顧客基盤を融合することで、既存のBtoBの販売経路だけでなく、比較的販売価格の高いBtoCの販売経路を持つことが可能となるとともに、オークファンの既存の法人クライアントへの提案の幅を広げることが可能となるとのことです。

 

確かに、オークファングループが主力市場として見込んでいる法人在庫の流動化市場(22兆円の市場規模があると言われています。)において、ネットプライスが従来より保有する仕入れルートを生かしてBtoC販路を拡充することができるならば、ネットプライス自体の売上げ増加を期待することができます。また、「NETSEA」や「リバリュー」が仕入れた商品をネットプライスを通じてBtoC販路へ拡大することができるのであれば、ネットプライスのみならず、オークファンにとっても売上げ増加を期待することができます。さらに、ネットプライスを通じた販路が拡大できれば、法人在庫の流動化市場自体が活性化し、市場規模が拡大する可能性もあります。

このように、本件買収は多くのシナジーを期待することができそうです。

ネットプライスの登録会員数は250万人とのことですが、その内女性比率が73%とのことですので、今後、いかにして女性会員の期待する商品を準備し提供することができるのか、また、女性のみならず男性会員をいかに増やすことができるのかがポイントになるのではないかと考えます。

今後のオークファン及びネットプライスの動向が気になるところです。

 

以上

その他専門家コラム

  • 「オークファンによるネットプライスの買収」

    小林幸与

    弁護士・税理士

    明治大学法学部卒業後の昭和61年から弁護士活動開始。結婚出産子育てを経て、平成9年より豊島区池袋にて弁護士活動を再開。その後、東京税理士会に登録して税務分野に拡大。法人化を機会に平成26年東京銀座に進出。現在は、弁護士法人リーガル東京と税理士法人リーガル東京の代表として、銀座本店と池袋支店で弁護士5名・税理士2名の体制にて、相続税務や事業承継を含む相続全般・不動産関係に特化した事務所を経営する。