M&A業界において、2017年バイアウトファンドの動きは、活発であった。このようにファンドの動きが活発である背景にはどのようなことがあるのだろうか。
ひとつには、ゼロ金利政策により、金融機関の資金が、ファンドに流れているということもあり、多くのファンドが新たにファンドなどを組成をおこなったりしていることも背景にあるのだと思われる。
ここで主なファンドが、どこに投資をしたかをみていきたいと思う。
※以下順不同 全てのファンドを掲載しておりません。また、ファンドによっては投資実績を開示していないものもありますのでご了承ください。
BAKE(チーズタルトなどスイーツの店舗展開)
エルビー(清涼飲料、果汁飲料、乳飲料の製造及び販売)
JVCC(動物病院・ペットサロン)
アルファコーポレーション(教育事業・家庭教師派遣)
ジェーシーインターナショナルトレード(衣料・雑貨等の小売)
サンスマイル(化粧品・美容雑貨等の販売)
セクションエイト(飲食店企画・運営)
Itty(美容関連商品、化粧品通販)
越後屋(和食チェーン店)
ハリタ金属(一般廃棄物及び産業廃棄物の収集・運搬・中間処理など)
LTLファーマ(長期収載品に特化した製薬会社)
ダイナミクス(マルチブランド外食チェーン)
CHCP(ヘルスケア事業者の持ち株会社)
フォーブス(ホテル・レストラン運営)
やる気スイッチグループ (個別指導塾・英会話スクール・幼児教育の運営など)
やまと(鮮魚卸・鮮魚・もち帰り寿司の小売、飲食店の運営、食品加工など)
インフォマティクス(地図情報システム・CAD関連ソフト開発など)
ホロスホールディングス(保険代理店事業・教育研修事業など)
ビーズラボ(カスタムインソール制作・販売ウォーキングシューズ販売など)
CRTMホールディングス(国内アウトバウンド、テレマーケティングサービス)
ニューオークボ(生パスタなど製造販売及び生パスタ専門店の運営)
ワークスアプリケーション(大手企業向けERPパッケーの開発・販売など)
川崎ホールディングス(戸建住宅施工販売)
シバウラ防災製作所(防災機器の製造販売)
このほかここには掲載していないが多数のファンドが投資実行をしている。
以上のように、各ファンドが積極的に投資をしていることがよくわかる。
それでは、売却側の立場で考えた場合について記載していきたいと思う。
一つは、『事業承継』ということがあると考えられる。現在、日本の経営者の平均年齢で一番のボリュームゾーンは65歳程度といわれている。つまり多くの経営者にとって事業承継というのは、大きな課題である。一方で事業承継を考えた場合、親族の中に承継する人がいる場合は、その方に承継すればよいだろうが、必ずしもそうでないケースも多くある。そのような場合に、他社に売却するという、『M&A』という選択肢になるのだが、その際に事業会社ではなく、ファンドへ売却することを選択する企業も増えてきている。ファンドに売却することのメリットとすると、業界内に自社が売却にうごいていることが漏れるリスクが少なかったり、スキームなどについても十何に考えることが出来るという点もある。
これは時と場合にはよってくるが、売却価額についても、事業会社よりファンドのほうが高い金額を出す場合も多い。逆にデメリットは何か。ファンドは必ずもう一度「EXIT」と呼ばれる売却をします。自身がコントロールが出来ないところで企業を売却するということに対して抵抗をもつこともあるかもしれません。そのためにも、投資実績やEXIT方針などを改めてヒアリングすることが重要であります。
また、最近では、事業承継以外で、40代の経営者が、一緒に事業を大きくするパートナーとしてファンドを選ぶケースがあります。ファンドは、経営管理のプロであります。また、多くの資金をもっています。このような経営資源を使うことによって、自身一人では到底成し遂げることが出来ないことを実現するためにファンドと手を組む経営者も増えております。個人的には、今後このようなことがもっと増えてくると思ってます。これは、日本の企業が、グローバルで戦っていくためには非常に良いことであると思ってます。お互いの強みを持ち合いながら、さらに強い会社になって、最終的には世界で戦える企業に育っていく。
※このような取り組みをするため、我々も全てのファンドと接点をもって選択肢としてご提案できるようにしております。