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2018.3.7

ソフトバンクとLINEモバイル、戦略的業務提携に向けて基本合意

2018.3.7

ソフトバンクによるLINEモバイルとの戦略的業務提携とは

小林幸与
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LINEモバイル株式会社(以下「LINEモバイル」といいます。)は、資本金17億1000万円でLINE株式会社の100%子会社であり、MVNO事業(Mobile Virtual Network Operator いわゆる格安スマホ事業)を行う会社です。
LINE株式会社は、今年1月31日、LINEモバイルが実施する第三者割当増資をソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」といいます。)が引き受ける資本提携と、MVNO事業を推進するための業務提携を内容とする戦略的提携を進めることを発表しました。
第三者割当増資は、2018年3月頃までに実施されるようですが、これによりLINEモバイルの出資比率は、LINE49%、ソフトバンク51%になる予定ですが、これによる代表取締役の変更はないとのことです。

LINE側の説明によれば、『LINEモバイルでは今までの価値をそのままに老若男女を問わず、ユーザーに寄り添ったモバイル通信サービスの提供をより大きく拡大させていくべく、ソフトバンクとパートナーシップを組むことにした』とし、『両社の強みを持ち寄り、サービスの更なる成長・拡大を図り』また『LINEやオンライン上であらゆる手続やサービスをワンストップで受けられるような、モバイル通信のあるべき形を目指し、これまで以上に快適なスマートフォンによるコミュニケーション環境を提供する』としています。

ソフトバンク側も、表向きは業務提携という表現をしていますが、LINEモバイルの51%の株式(過半数の株式)を保有する予定というのですから、実質的にはソフトバンクによるLINEモバイルの買収といえます。LINEモバイルは、実質上ソフトバンク傘下の企業になるのです。
100万件契約で収益化が可能になるというMVNO事業であることから、LINE株式会社単独でMVNO事業を発展・拡大させるには、厳しい経営環境であるとの経営判断が、LINE株式会社経営陣にあったのではないかと思われます。

ソフトバンクがLINEモバイルを買収した理由・事情として、以下のようなことが考えられます。

①総務省は、基地局や回線設備を持つ移動体通信事業(MNO Mobile Network Operater)における競争を推進し多様で安価なサービスを利用者に提供するため、政策措置を通じてMVNO事業への参入を支援している。ソフトバンクはMVNOへの回線提供は実績が少ないので、回線提要実績を増やすためをLINEモバイル買収した。
LINEモバイルは、現在NTTドコモの回線を利用して格安SIMを提供しているが、これからはソフトバンク回線を利用しての格安SIMも提供されるようである。
②LINEという誰でも知っている名称を持つLINEモバイルを買収することによって顧客拡大が見込める。すなわちLINEモバイルの即日受渡店舗数は20店舗位と少ないが、ソフトバンク・ワイモバイルは全国約3700店舗がある。これら店舗にLINEモバイルが加わり即日受渡を展開できれば、あらたなユーザー(顧客)を取り込め顧客拡大ができる。
③ソフトバンクがLINEモバイルによってソフトバンク網のMVNOを提供するようになれば、他のライバル会社(MNOへの参入を図る楽天など)と大きな差を付けられる。

LINEモバイルは好調な格安SIMの事業者であり、他方ソフトバンクはキャリア(MNO)であり、両社が手を組むことは、業界関係者にとっては、不意の出来事として驚きをもって、注視していると思います。

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