今年も残り2か月あまりとなり、あらためて、飲食業界における2018年のM&Aを振り返ってみたいと思います。飲食業界におけるM&Aはここ最近非常に増加してきている。まずは、飲食業界において今年行われたM&Aの一覧を記載したいと思います。
1月 買収:クレアホールディングス 売却:アルトイズム
買収:J-STAR 売却:セクションエイト
買収:クリエイトレストランツホールディングス 売却:イクスピアリの飲食事業
買収:クリエイトレストランツホールディングス 売却:ルートナインジーグループ
買収:アント・キャピタル・パートナーズ 売却:スプラウト・インベストメ
ント
2月 買収:アスラポートダイニング 売却:スティルフーズ
買収:日本KFCホールディングス 売却:BYO(資本提携)
3月 買収:ロングリーチグループ 売却:珈琲館
4月 買収:ユニゾンキャピタル 売却:資さん
買収:小僧寿し 売却:デリズ
5月 買収:アスラポートダイニング 売却:ジェイアンドジェイ 海鮮
居酒屋事業
6月 買収:フジオフードシステム 売却:サバ6製麺所
7月 買収:FCDパートナーズ 売却:俺の
買収:ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ 売却:ブルームダイニング
サービス
8月 買収:JBイレブン 売却:ハートフルワーク
買収:日本協創投資 売却:コンプリート・サークル
9月 買収:ジー・テイスト 売却:壁の穴
10月 買収: ジー・テイスト 売却:湯佐和
買収:ホットランド 売却:アイテム
買収:ゼンショーホールディングス 売却:Advanced Fresh Concepts Corp.
このように、主なM&AだけでもこれだけのM&Aが行われています。
特に最近では、ファンドが外食企業へM&Aするケースが目立ってきていると感じます。例えば、上記の中にもある、J-STARやロングリーチグループ、ユニゾンキャピタル、FCDパートナーズ、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ、日本協創投資は、いずれもファンドであります。なぜ、ファンドが外食企業に注目して、投資をするのでしょうか。私は、今回本を出版(『M&Aで外食は年商30億円を突破できる』)を出版するにあたり、いくつかのファンドへのインタビューとまた実際にファンドに売却した企業にインタビューを行いました。
その中でファンドが外食企業へM&Aする理由として、ビジネスモデルがわかりやすいということをあげていました。また、海外においても日本の外食産業というのはまだまだ余地が多分にあり、企業価値の向上を図りやすいと考えているということもありました。
また、経営者と、ファンドの得意分野が明確に分かれているということもあると思います。
外食産業の経営者は、主として業態を作ったりという『センス』がある方多いです。一方で、経営管理などについては、二の次になっているケースがあります。この部分は、まさにファンドの得意とするところでもあり、その両者が一緒になるからこそより高い成長(企業価値の向上)がはかりやすいともいえます。このようなこともあり、多くのファンドが外食産業への投資に対して積極的であります。
実際、主たるファンド10社に外食への投資に興味があるかのアンケートを取らせていただいたところ、10社全てが興味あるということをお答えいただきました。また、過去に外食に投資したことがあるか(または現在投資をしているか)を聞いたところ10社中、6社が投資したことあるとおこたえいただいております。
売却側はどうかというと、今まで自社のリソースだけで成長してきたが、このまま出店を続けて経営者自身が理想とする出店していくためには時間がかかりすぎる、その時間を埋めるためにファンドと手を組んだという方がほとんどであります。今回、この本の中でインタビューさせていただいた経営者皆さまがそのようにお答えいただきました。また、経営者が株式を全て売却するのではなく一部(20%程度)を保有したままであるということも特徴的であります。このようにすることで、企業価値向上ということによるメリットが、経営者にも得ることが出来てよりファンドと経営者の目的が一致するからであります。
今後このような動きはますます加速すると思われ実際、弊社へ相談いただくケースも非常に増えてきております。今年も残り2か月でありますが、このサイトでも都度外食産業のM&Aをおっていきたいと思います。