プロコメ

2019.2.6

KeyHolderのアイドルグループ「SKE48」を買収について

2019.2.6

アイドルグループ「SKE48」の事業価値「30億円」は妥当なのか?

今村 拓哉 Imamura Takuya プロフィールを見る

はじめに

この度、アイドルグループ「SKE48」を株式会社KeyHolderは30億円という価格で買収することを発表致しました。今回の買収について、株式会社KeyHolderは以下のようなコメントを発表しました。

「 この度、所属メンバー個々の人気やグループとしての印象と知名度、これまでの活動実績及び収益性など様々な観点から、当社グループにおける総合エンターテインメント事業の収益の拡大、ひいては当社グループの企業価値向上に寄与するものとして期待できるとの考えから、AKS との間で SKE48 の譲り受けに関する事業譲渡契約を締結することといたしました。 今後、SKE48 は当社グループに所属することになりますが、グループのメンバーはもとより、グループを支えるスタッフ、そして何よりファンの皆様が SKE48 を通して活動拠点である名古屋(栄)を 盛り上げていることを踏まえ、今後もファンの皆様にしっかり支えていただけるグループであり続けるよう、まずは現状の運営・管理体制を踏襲した事業展開を想定しております。 また、今後はライブ・コンサートや握手会、CD・DVD 販売、グッズ販売、映画・番組出演などの現状の活動に加え、当社子会社の株式会社KeyStudioが運営している新宿アルタ「KeySt – 2 – udio」での公演や同施設からの情報発信、同じく子会社の株式会社KeyProduction が手掛けるテレビ番組制作部門との展開など、当社グループならではのシナジーを活かした展開も図 ることで、これまで SKE48 を支えてきたファンの皆様にご納得いただけることは勿論、新たなファン の獲得にも寄与する活躍の場の創出に努める事業展開と、収益の拡大を目指してまいります。」

上記のコメントを見ると、株式会社KeyHolderはSKE48グループのメンバーの人気や知名度、活動実績、収益性を高く評価し、30憶円という価格を付けたことが分かります。以下では、SKE48の収益性を分析したうえで、活動実績を振り返り「30億円」という価値が妥当かどうかについて調べていきたいと思います。

1. SKE48の事業概要について

売上高 2,155百万円
売上総利益 1,114百万円
営業利益 366百万円
経常利益 366百万円

資産 負債
科目 金額 科目 金額
流動資産 399百万円 流動負債 117百万円
固定資産 107百万円 固定負債 78百万円
資産合計 506百万円 負債合計 195百万円

上記のBSを簡単に分析すると自己資本比率が61%、流動比率が341%、固定比率が34%と倒産リスク、資金繰り、長期的な資金調達と安全性いずれの観点から見ても優れた事業状態であったといえます。また、PLについても売上総利益率が51%と全業種平均が約25%であることを鑑みると非常に利益率が高い事業と言うことができると思います。
続いて事業価値「30億円」の妥当性について、借入、減価償却費が不明なため0であると仮定すると、EV/EBITDA倍率は約8倍であり、同業他社比較が難しいため評価が難しいですが、個人的な感覚としてはそこまで割高だとは思いません。

2. SKE48の活動実績について

 上記のグラフは発売日の古いものから新しいものを比較したグラフでございます。「コケティッシュ渋滞中」については、ミュージック・カードを付属することで劇場版に限りチャート上のカウントが2倍になっていると言われているので除外して考えますと、ここ数年の販売枚数としては約40万枚で安定しております。2018年のオリコン年間ランキングで「意外にマンゴー」が7位にランクインしておりますし、CDが売れない時代と言われる昨今において約40万枚のCDが売れるということはSKE48の人気の高さを示していると思います。
 また、2018年に開催された「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」においても、1位に松井珠理奈、2位に須田亜香里、8位に大場美奈、11位に惣田紗莉奈、15位に古畑奈和と選抜メンバー16人のうち5人がランクインするなど個人としても人気があるメンバーが増えてきております。
 以上より、SKE48事業の収益性の高さ、人気の高さを考慮し「30億円」という価格が付けられ、この価格は妥当であったと言えるのではないでしょうか。

その他専門家コラム

最新のプロコメテーマ